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マックスプランク研究所、音で3D物体を作製

June, 2, 2023, Tübingen--マックスプランク研究所(Max Planck Institute)の研究チームは、音波を使って3Dプリンティングで、物質を3D構築する新技術を発表した。

マックスプランク研究所のマイクロ、ナノ、分子システム研究者と、ハイデルベルク大学の医療研究および分子システムエンジニアリングと先端材料研究所の研究者は、3Dで物体を構築する新技術を開発した。同コンセプトは、多重音響ホログラムを使って圧力場を生成する。これにより固体粒子、ゲル粒子、生物学的細胞さえもプリントできる。これらの成果は、バイオメディカルエンジニアリングにアプリケーションがある新しい3D細胞培養技術に道を開く。研究成果は、Science Advancesに発表された。

積層造形、3Dプリンティングは、機能材料、生体材料から複雑なパーツの製造を可能にする。従来の3Dプリンティングは、遅いプロセスであり、物体は、一度に1ラインあるいは1層で構築される。研究チームは、もっと小さなビルディングブロックからシングルショットで3D物体を形成する方法を実証している。

同グループのポスドク、論文の筆頭著者、Kai Meldeは、「われわれは成形超音波を使って、シングルショットでマイクロ粒子を3D物体にアセンブルできた」と語っている。「これは、バイオプリンティングにとって極めて有用である。そこで使用される細胞は、プロセス中、特に環境の影響を受けやすい」とハイデルベルク大学、Peer Fisher教授は、コメントしている。

音波は、物体に力を及ぼす。人の耳には聞こえない高周波超音波を使うと、波長がミリメートル以下、ミクロの領域になる、研究チームは、それを使って、生体細胞のような極微構成要素を操作する。

以前の研究で、Peer Fisherとチームは、3Dプリントされたプレート、音響ホログラムを利用した超音波の形成法を示した、同プレートは、特殊な音場をエンコードするように作製されている。チームが実証したその音場を使って、材料を2Dパタンに組み立てることができる。これに基づいて、チームは、製造コンセプトを考案した。

その新しい研究によりチームは、コンセプトを一歩先へ進めることができた。チームは、水に自由に浮いている粒子や細胞を捉え、それらを3D形状にアセンブリする。その上、新しい方法は、ガラス、ヒドロゲルビーズ、生体細胞を含む様々な材料で機能する。論文の筆頭著者、Kai Meldeは、「極めて重要なアイデアは、多数の音響ホログラムをいっしょ使い、粒子を捉えることができる統合場を形成することだった」と言う。3D物体全体を超音波ホログラムフィールドにデジタル化することは、計算的に非常に要求が厳しく、われわれは、新しい計算ルーティーンを考案する必要があった」とHeiner Kremerは、話している。同氏は、ホログラムフィールドを最適化するアルゴリズムを書いた。

研究チームは、同技術が細胞や組織の3D培養形成に有望なプラットフォームになると考えている。超音波の利点は、生体細胞利用に優しく、組織深部に侵入できることである。この方法を使って、害を与えることなく、細胞を遠隔操作し、押し込むことができる。