May, 18, 2023, Ditzingen/Aachen/Hamburg--TRUMPF, Fraunhofer ILT とDESYの提携で、粒子加速器により、今日までで最も詳細なレーザ溶接プロセス洞察が可能になった。
Fraunhofer専門技術者、Marc Hummelは、「グリーン波長レーザの使用によりハイパフォーマンスエレクトロニクスの溶接で原材料を節約できることを初めて証明した」と語っている。
ハイパフォーマンスエレクトロニクスの溶接で多くの原材料を節約できる。これは、ハンブルクHelmholtz AssociationのGerman Electron Synchrotron DESYにおける研究成果である。ハイパフォーマンスエレクトロニクスは全てのEー自動車で重要技術であり、バッテリやモーターの最高性能を保証する。ハンブルクの研究者は、TRUMPFおよびFraunhofer Institute for Laser Technology ILTと共に、E自動車製造で使われるレーザ溶接プロセスを研究した。TRUMPF, Fraunhofer ILT, DESY およびHelmholtz Center Hereonは、それぞれ、X線、レーザ光源、溶接プロセスの高度に専門的な知識に貢献している。結果、肉眼にも顕微鏡にも見えない洞察が、今回初めて達成された。その成果は、グリーン波長レーザを使うと、他のレーザ溶接プロセスに比べて不良品が著しく少なくなる。自動車メーカーは、原材料を節約でき、したがって、より持続可能な製造に貢献することになる。
粒子加速器で詳細な洞察
プロジェクトパートナーは、Hereon実験セットアップで、数千~数万fpsで高速画像を撮るために粒子加速器の高輝度X線を使用した。「われわれは、銅溶接で何が違うかを正確に見つけるために粒子加速器による研究を利用したかった。安定した溶接プロセスは重要である、電気自動車のメーカーが、数十億の最高品質の接続を溶接する必要があるからだ」とMarc Hummel、Fraunhofer ILTの研究者はコメントしている。今後、TRUMPF、Fraunhofer ILTは、研究を3Dプリンティング、レーザ切断や超高速パルスレーザによるレーザ穴開けなど、他の領域に広げ、他の産業パートナーも加える計画である。
Eモビリティ、グリーン波長レーザにより不良品減少
電気自動車は、レーザ技術に大きな課題を課している。銅は、コアEモビリティコンポーネントの製造で最も重要な材料である。非鉄金属は、NIR域では、わずか5%のレーザ放射を吸収するだけであり、熱をよく伝える。これらの特性の両方は、溶接時の大きな問題になる。したがって、そのプロセスは、監視下にある。NIRレーザに加えてTRUMPFは、その製品範囲でグリーン波長のレーザも有している。「グリーン波長のレーザは、この問題へのソリューションである。実際、銅は、これらのレーザで良好な溶接が可能になる」とTRUMPF、自動車産業マネージャ、Mauritz Möllerは、説明している。銅は、赤外よりもグリーン波長をはるかによく吸収する。したがって、その材料は、溶融温度に素早く達するので、溶接プロセスの始まりは速く、必要なレーザパワーも少ない。「溶接時の、より安定したプロセスは、不良品が少ないことを意味し、したがって、持続可能性は高い」(Möller)。
粒子加速器で実験
溶接プロセスを詳細に研究するために、Fraunhofer ILTの専門技術者は、RWTH Aachen UniversityのLaser Technology LLT(レーザ技術)チェアと協力して、Helmholtz Center Hereon での実験セットアップで、DESY’のPETRA III X線光源を使用する。「従来法は、実際、プラズマからの電磁放出を見るだけである。DESY’の放射でわれわれは、溶融の内部を見るとともに、メルトダイナミクスの可視化さえできる」とMarc Hummelは、コメントしている。
これをするためにFraunhofer ILTとTRUMPFのチームは、2つの異なるレーザシステム、NIRレーザとグリーン波長レーザを使用して、DESYのレーザ溶接プロセスを調べた。「われわれにとってはこれは、産業パーツで溶接工程を研究する絶好の機会である。例えば、スパッタやポアの形成の仕方、溶接プロセスからの熱が、電子部品のような影響を受けやすいコンポーネントにどう影響するかである」とMauritz Möllerは、話している。
(詳細は、https://www.trumpf.com/)