March, 18, 2022, Aachen--プロセスの安定性と制御は、レーザ金属堆積では極めて重要である。理想的には、プロセスの異常と偏差には、プロセスを中断することがないように、遅れることなく直ちに対処しなければならない。ここが、マシン組込モニタリングシステムが必要とされるところである。システムは、そのようなプロセスをその場で直接チェックし、補正を開始することができる。
産業および研究パートナーと共にFraunhofer製造技術研究所IPTは、イメージング検査法OCTをワイヤベースレーザ金属堆積(LMD-w)の同軸プロセスにに統合した。その新しいOCT計測法は、進行中の溶接プロセスを記録できるだけでなく、使用中に品質とプロセスを制御し、スクラップを減らすことができる。したかって、LMD-wは、将来、成熟した3Dプリンティングプロセスで使える。
LMD-wは、積層造形プロセスである。そこでは、溶接材としての金属線が、レーザを活用して溶接ビードのワークピースに溶接される。これらの溶接ビードのいくつかは隣同士で層を形成し、重なった複数の層がコンポーネントになる。LMD-wは、必要なところに材料を適用するだけなので、それは省資源プロセスである。複雑なプロセス開発と低いプロセス安定性が、これまでは、特殊な修復プロセス、あるいは耐摩耗性コーティングを超えた産業利用の拡大を阻んできた。
“TopCladd – Adaptive Laser Cladding for Precise Metal Coating Based on Inline Topography Characterization”
TopCladd研究プロジェクトで研究チームは、レーザプロセスの安定化とアクティブ制御のために、初めて同軸LMD-wにOCTシステムを装着した。OCTは、眼科で使われたのが最初であるが。非接触、断層撮影横断面の高解像度画像のための短コヒレント干渉法に基づいた計測プロセスである。高い計測周波数と組み合わせてOCTは、材料堆積の表面品質をプロセス中に直接検査、最適化するために使える。
レーザ金属堆積+OCT、プロセス安定性への道
レーザ金属堆積の品質は、主に溶接シーム表面に依存している。表面が波状になればなるほど、コンポーネントの品質はますます低下する。レーザ金属堆積プロセスをより安定にし、高品質溶接シームを造るには、個々のプロセスステップが記録されなければならない。OCTは、固体から液体へ、さらに最終溶接ビードの形状までの相転移で溶接シーム表面をチェックできる。取得データに基づいて、レーザプロセスは、隣接、あるいは、必要なら重なった溶接ビードで調整できる。
OCTの利点をレーザ溶接プロセスに活用するためにFraunhofer IPTの研究者は、レーザの加工ヘッドに同軸上にOCTシステムを組み込んだ。加工用レーザとOCTシステムは、これにより共通のオプティクスを使うが、波長が違うので干渉しない。いわゆるアキシコン、円錐形状レンズと複数のプリズム形状プティクスが、加工と計測光が同軸上にあることを保証する。この光学設計により、計測レーザは、中央の金属ワイヤの周りに適用された溶接を環状にスキャンでき、多方向計測が可能になる、これは溶接ヘッドが動く方向とは独立である。この方法で、ワークピース全体が、計測できる。ワイヤが計測光を邪魔することはない。
OCTでアクティブプロセス制御
OCTをレーザ金属堆積プロセスに組み込むと、全溶融トラックの表面構造が、精密にマッピングできる。プロジェクトで収集したプロセスデータを用いてアーヒェンの研究者は、プロセス適用と制御に基づいたデータでプロセスモデルを開発している。結果として、レーザプロセスは、よりロバストになり、幅広い範囲のアプリケーション領域を開く。「OCTにより、われわれは、将来、レーザ金属堆積中に重なり合った1あるい2層に適用できるだけでなく、層がいくつでも適用できるようになる。この方法で、LMD-wは、アップグレードされて成熟した継続維持できる積層造形プロセスになった」とFraunhofer IPT「エネルギービームプロセス」部門長、Robin Dayは説明している。
(詳細は、https://www.ipt.fraunhofer.de)