November, 25, 2021, Livermore--3Dプリンティングが成長、進化し続けているので、構築をリアルタイムモニタリングできる診断法が、高品質パーツの製造には重要なツールになっている。特に、液体金属噴射(LMJ)など、新しいプリンティング技術には重要である。
LMJは、微小な溶融金属小滴をノズルから高速噴射して層状に部品を3Dプリントする、コンシューマ市場のインクジェットプリンタに類似である。レーザベース金属3Dプリンティングプロセスと違い、その技術は、金属粉末を必要としない。金属粉末は、取扱が危険であり、材料の浪費となり得る。高品質LMJプリント確認のために現在利用されている診断法は、主として高速ビデオグラフィ依存である。これは、高価な装置を必要としており、設定が難しく、大量のデータを生成する。テストプリンティングの数秒を評価するには十分であるが、長時間の構築には実用可能なソリューションではない。
LLNLの研究者は、新しい診断ツールでその問題を解決しようとしている。これは、リアルタイムで金属液滴の品質を判定し、LMJプリントをモニタする。そのアプローチは、低周波、電磁近接場検出を使って金属液滴ダイナミクスを捉える。これは、シミュレーションと組み合わせると、信号の振幅と位相だけに基づいて液滴の特徴についての情報を提供する。
研究者によると、ただ一つのパラメタを使って液滴の特性評価ができると、必要なデータ量は大幅に減り、長期のLMJプリントの処理とフィードバックが可能になる。研究成果は、Journal of Applied Physicsに発表され、“Featured Article.”に選定された。
「われわれの結果は、LMJの原位置モニタリングは、ミリ波検出法で可能である。これは素晴らしいことだ。リアルタイム性能評価とフィードバック制御を可能にし、高品質プリント金属パーツを確実にするための、コンピュータ的に高価な高速、高分解能光診断を置き換えられるからである」とLLNLエンジニア、論文の主筆、Tammy Changは、説明している。
新技術で、研究チームは、ノズルにおけるプリントの変動や異常性、液滴についてのマイクロレベルの特性、サイズ、位置、ダイナミクスなど大規模なトレンドを発見した。チームは、電磁シミュレーションを利用して、液滴の特性をモデル化した。これによりチームは、電磁散乱の物理学、検出された信号の大きさや位相の変動が液滴の特徴にどのように影響するかを理解することができた」(Chang)。
その研究の結果は、「コンパクトで非侵襲的」診断である。これは、以前に可能であったよりも高いプリントレートでLMJマシンの液滴を区別できる。また、プリントシステムの付加的機能検出能力も区別できる。一つのパラメタだけに基づいて液滴の特性を捉える能力は、迅速、リアルタイム処理を使ってプリントの設定を調整し、部品品質を保証するフィードバックシステムに有望である。
「真っ直ぐに落ちる一滴のきれいな排出は、すぐれたプリント品質達成のカギである。高速ビデオグラフィは、新しいプリントパラメタをテストしている研究室スケールの環境では良好に機能するが、製造では機能しない。ミリ波診断は、大きな改善である。それはプリンタに組込可能であり、光アクセスを必要とせず、高品質液滴が生成されているかどうかを判定するための分析可能なデータをリアルタイム供給するからである。この種の診断は、製造環境では非常に役立つ」とLLNLエンジニア、論文の共著者、Andy Pascallは話している。
将来、研究チームによると、信号処理技術を使って光計測とミリ波計測を相互に関連付け、ミリ波の結果だけに基づいて液滴特性を予測することができる。LLNL研究者と協力者によって開発された処理の取組は、現在審査中である。
(詳細は、https://www.llnl.gov/)