October, 22, 2021, Dresden--レーザやプラズマによる金属加工は、空気中に多くの多様な汚染物質を放出する。フラウンホーファIWS(Fraunhofer Institute for Material and Beam Technology IWS)は、パートナーとともに、空気からこらの物質を効率よく除去するフィルタシステムを開発した。フィルタは、その都度、放出される様々な物質に適用できる。将来、その技術は、積層造形(AM)など他のアプリケーションで利用される。
金属がレーザやプラズマで加工されるとき、微粒子、有害気体や物質が、放出される。金属加工会社は、通常、抽出装置や排気装置を使って、これらの物質を作業場から除去する。これができない場合、ワーカーは保護マスクを装着する。製造がますます自動化(例えば、製造ロボットの利用)されると、人が恒常的に工場にいないので、放出物からの保護に注意を払うことが少なくなる。「これは問題である。従業員は、修理や保守、あるいは製品の品質モニタのために時々、工場に入らなければならないからだ」とFraunhofer IWSのガスと粒子濾過グループマネージャ、Jens Friedrichは指摘している。「そのような場合、従業員は、空気が、実際、どの程度汚染されているかを認識していない」。
あらゆるものに1つのフィルタシステム
公的資金を得たプロジェクトの一環としてFraunhofer IWSは、Saxonyの企業とともにフィルタシステムを開発した。これは、製造現場の空気をきれいにし、同時に効果的に様々な汚染物質を結合させる。その基準は現在、活性炭フィルタシステムである。これは、例えば、揮発性有機化合物(VOCs)を捉える。しかし、ホルムアルデヒド、酸化窒素、問題のある硫黄化合物などの物質も金属加工会社やワークショップでは放出されることが多い。レーザ溶接も金属の微粒子、溶接物質を放出する。これまで、空気から全ての物質を同じようによく除去するシステムは存在しなかった。MultiFUNプロジェクトの一環としてパートナーは、そのような柔軟なシステムを初めて開発した。それは、複数の交換可能なモジュールで構成されている。各フィルタレベルは、周囲空気から特定の物質を除去するように特別に設計された濾過剤を含んでいる。活性炭に加えて、そのフィルタシステムは、ゼオライトと多孔質ポリマとともに、例えばいわゆる有機金属構造体も使う。
多くの多様な物質をテスト
適切なフィルタ物質を見つけるためにFraunhofer IWSの研究者は、研究室で広範な物質をテストして、それらが様々な汚染物質をいかによく吸収するかを調べた。最良の候補は、次にフィルタシステムプロトタイプに組み込まれた。プロトタイプは、Löbauの会社ULTが製造した。従来のフィルタシステムと比較したこのシステムの際立った特徴は、センサモニタリングである。これは、濾過剤が物質で飽和して、取り替える必要があるときを自動検出する。状態は、各フィルタレベル、汚染物質クラスがカラーLEDsで個別に表示される。つまり、飽和したフィルタレベルだけを取り替える必要があるということである。
フィルタシステムを使うことで一層安心
増え続けるオートメーションの結果として、空気が十分にクリーンになっていない3D製造工場など、工場の数が増加している。「これは、必ず問題になる。人々が関与しないで完全に稼働するものは何もないからである。長期的には、従業員の健康を守るためにフィルタシステムを使うことが、言うまでもなく賢明である。例え、たまにしか自動化されたエリアに入らないとしてもである」(Friedrich)。3Dレーザロボットを使用するAMでは、大量の微細粒子が放出される。これらは、部屋にもワークピースにも堆積し、汚染する。粒子は高価値製品を汚染する。また、床に堆積したペレットで人が足を滑らすと、事故の危険性がある。
多くの企業と共にFraunhofer IWSは現在、AM中に放出される汚染物質および物質をフィルタで除去するシステムの開発に取り組んでいる。「われわれの研究所には、レーザ加工、材料、システム全体の開発の専門家がいる。したがって、そのようなフィルタソリューションの開発になると、われわれは最適パートナーになる」(Friedrich)」。
また同氏によると、バッテリの製造やリサイクルで空気から様々な物質を除去するフィルタシステムの必要性が増加する。ニッケル、マンガン、コバルトなどの金属がそこで使用されているので、これはなおさらである。これらの物質は、非常低用量でも健康にとって危険な化合物を形成するからである。
(詳細は、https://www.iws.fraunhofer.de)