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個人向け量産に3Dプリントオプティクス

November, 21, 2019, Würzburg--個人向け製造でありながら、量産適合は可能か。フラウンホーファー”Go Beyond 4.0″プロジェクトで、この明らかな矛盾が解消される。照明オプティクス分野で、2つのFraunhofer Institutes、Silicate Research ISC およびOptics and Precision Engineering IOFは、“lot size 1”多機能と個人化光コンポーネント向けに新しい材料コンセプトと加工技術を開発した。
 出発点は、比較的容易なカスタマイズ可能な3Dプリンティング技術。しかし、これまで3Dプリンティングの欠点は、量産効果、プリントされた物体表面を台無しにしたこと。例えば、レイヤリング、加工品、粗さ。従来の3Dプリント可能なポリマの材料特性は、通常、最先端の光学コンポーネントやシステムでは不十分である。
 照明分野では、視覚系に対する要求は高い。使用される材料は、可能な限りガラスのようでなければならない、長期使用で黄変があってはならない、スペクトル可視域では高い透明性が求められる。層ごとの加工によって起こる不自然な結果、あるいは不均等性、マイクロメートルスケールプリンティング構造による滑らかでない表面は、光学系での利用には受け入れられない。しかし、Fraunhofer ISCからのORMOCERs、ガラスのような無機-有機ハイブリッドポリマと、Fraunhofer IOFの改善されたプリンティング技術により、光学品質の飛躍が達成された。特別に調整されたORMOCERsは、Fraunhofer ISCの研究者が、光アセンブリや接続技術の領域ですでに使っている。「最初の材料は、非常に優れた光学特性だった。さらなる開発により、3Dプリンティングプロセスを強化するように微調整された。これは、Fraunhofer IOF の研究者が定めた通りである。材料と技術の組み合わせにより、他の方法では3Dプリンティングから出てくるような表面および容量の欠点は回避される」とFraunhofer ISCプロジェクトマネージャ、Dr. Sönke Steenhusenは説明している。
 加えて、アパチャ、導電性トラック、ミラーなど、他の必要とされる機能コンポーネントは、製造工程中に、プリントされた光コンポーネントに組み込み可能である。これは、後のアセンブリを簡素化し、非常に複雑な光コンポーネントが可能になる。したがって光学系は、光ORMOCERとデジタル製造プロセスを組み合わせることで容易に実現される。プリントされたオブティクスは、高度な照明タスクにとっとも興味深いものとなり、それは他の手段では、これまで実現できなかったものである。量産については、フラウンホーファーの研究者が、工程の並列化にすでに取り組んでいる。