July, 31, 2019, 大阪--大阪大学産業科学研究所入澤明典助教、菅滋正招へい教授と、摂南大学、京都大学先端ビームナノ科学センターの共同研究グループは、大阪大学産業科学研究所内の遠赤外・テラヘルツ自由電子レーザを用いて回折限界を大きく超えた、波長の1/25のサイズの縞状構造(レーザ誘起周期表面構造(LIPSS))を半導体シリコン表面に制御加工することに世界で初めて成功した。これは、従来のモデルでは説明できないサイズであり、新たなメカニズムの解明が必要になる。
今回の成果を起点に、新しいレーザ加工技術・理論が展開され、様々な材料加工に応用されることが期待される。
研究成果は、米国物理学協会の速報雑誌「Applied Physics Letters」に、公開された。
研究成果のポイント
・新しいレーザ光である自由電子レーザを用いることで、これまでのレーザ照射による最小加工サイズの記録を大きく更新。
・一般の近赤外レーザとは波長の大きく異なる遠赤外FELを用いることで従来では困難だった詳細な実験が可能となり、従来の変化機構のモデルでは説明不可能な加工サイズに到達することがわかった。
・この研究成果を起点にレーザによる材料加工技術・理論の新しい領域を開拓することで、材料特性の高度化やデバイス開発技術の発展に大きく貢献できる可能性がある。
(詳細は、http://www.osaka-u.ac.jp/ja)