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工場での生産準備作業を効率化するAI技術を開発

February, 6, 2019, 東京--三菱電機と産業技術総合研究所(産総研)は、工場での生産前に必要となる、FA(ファクトリーオートメーション)機器の調整やプログラミングなどの生産準備作業を大幅に効率化するAI技術を開発した。三菱電機のFA機器・システムに関する技術と産総研のAI技術との融合により、生産準備作業にかかる時間を短縮できる。
今回の開発成果は、産総研の保有するAI技術が三菱電機との連携によりFA分野で有用となったものであり、今後、三菱電機のAI技術「Maisart®(マイサート)」のひとつとして、三菱電機のFA機器・システムに実装を進め、工場の生産性向上に大きく貢献する。

研究開発の特長
1.サーボシステムの位置決め制御を1日で自動調整
・三菱電機の駆動制御技術と産総研のベイズ最適化応用技術を融合し、熟練技術者でも調整に1週間以上かかる位置決め制御を1日で自動調整
・熟練技術者でも調整が困難な8種類720個のパラメータを調整し、位置決め時間を最大20%短縮できる高速位置決め制御を実現

2.熟練技術者に頼らないレーザ加工品質の自動判定を実現
・三菱電機のレーザ加工に関するノウハウと産総研の画像認識向け機械学習技術を融合し、加工面の画像から加工品質を熟練技術者と同等レベルで自動判定
・判定結果に基づいて良好な加工品質が得られる加工条件を、熟練技術者に頼らずに調整できる標準的な手順を開発

3.産業用ロボットの異常処理プログラム作成時間を3分の1に削減
・三菱電機の力覚制御技術と産総研のデータ分析向け機械学習技術を融合し、産業用ロボットを用いた組み立て作業における異常発生状況を効率よく学習
・産業用ロボットシステムの立ち上げ時に大きな負担となる異常処理プログラムの作成時間を3分の1に削減

(詳細は、https://www.aist.go.jp/)