March, 22, 2018, Dresden--フラウンホーファーIWS(Fraunhofer-Institut für Werkstoff- und Strahltechnik IWS)は、異なる特性の材料を接続する新しい工程を開発した。
熱直接結合は、レーザ構造化金属と熱可塑性コンポーネントを押しつけ、それらを局所的に加熱する。これにより熱可塑性物質が溶けて構造物に浸透し、表面に固着する。特殊開発の接続ガンが、数秒でしっかりした接続を実現する。”HeatPressCool-Integrative” (HPCI)プロセスは、複雑な接着プロセスの置き換えに最適である。
近年の軽構造には、金属とポリマーの組合せが必要になることが多い。また、効率的なプロセスチェーンが必要とされるのは、特殊な負荷に適合する前処理や結合技術を行う産業生産での利用である。プロセスシミュレーションや特性評価用のツールも重要な役割を果たす。新しいフラウンホーファーIWSの開発は、このような要求に応えている。HPCIプロセスは、接着での多年の経験と、レーザ遠隔技術分野の最新の技術開発とを組み合わせている。研究チームは、自ら定めた、直接的に、ピッタリと結合する生産的なソリューションの開発目標を達成した。
熱可塑性物質と金属は非常に異なる物理的特性、たとえば融点や熱膨張係数など、を持っているので、2つの結合相手間の接着力を最適化することは特に重要である。このため、IWS研究チームは、1秒に最大30平方㎝の面積率と100µm以上の構造深度を生み出すレーザアブレーション工程を開発した。同時に、ポリマーと金属が積極嵌合するように、後で浸透するポリマーが、生成された構造を埋めることができる。
実際の結合プロセスは実にシンプルである。予め構造化された金属結合対象をポリマーに押しつける。同時に、金属が結合部で加熱され、熱可塑性物質が部分的に溶ける。このプロセスを産業利用に適合させるためにIWS研究者は、スポット溶接ガンの代わりにロボットアームにマウントできるモジュラー設計の接続ガンを開発した。特別な難題は、金属結合対象の均一な加熱にある。誘導加熱に加えて、レーザ加熱は同様に十分なソリューションとなる。2Dレーザビーム振動の利用により、非常に高速のビームの動きと制御が可能になる。このやり方は、結合部分の固有の放熱条件を補償するために温度場を動的に調整する。
産業および研究パートナーとともにフラウンホーファーIWSは、複雑な技術デモンストレーターを用いて開発した方法を評価した。研究チームは、軽構造の潜在性を実証するために、純然たる溶接された建築用鋼材を、オルガノシートと金属カバープレートでできた多材コンポーネントで置き換えた。熱ダイレクト結合に加えて、研究チームは、金属とオルガノシートとの間でウエブスリットデザインで形状フィット接続も生成した。基礎研究は、熱ダイレクト接続は、多材料とコンポーネントデザインに適していることを示した。特に、工程時間が短く、ロバストなプロセス制御、優れた自動化機能のためである。
(詳細は、www.iws.fraunhofer.de)