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経済的で環境にやさしく、高速化された腐食と摩耗防止技術

June, 2, 2017, Aachen--コンポーネントは、硬質クロムメッキ、溶射、レーザ材料溶着あるいは他の蒸着溶接技術によって腐食や摩耗から守られている。しかし、これらのプロセスには難点がある。
 フラウンホーファーILT (Fraunhofer Institute for Laser Technology ILT in Aachen)とRWTH アーヒェン大学(RWTH Aachen University)の研究チームは、これらの欠点を除去するために、超高速レーザ材料蒸着プロセス、EHLAを開発した。研究チームは、この成果でJoseph von Fraunhofer Prizeを受賞した。
 フラウンホーファーILTのグループマネージャー、Dr. Andres Gasserは、「われわれはEHLAを使って、広い表面に短時間で1㎜の1/10の薄い層を形成することができる、非常に資源効率がよく経済的だ」と説明する。
 EHLAは薬品を使わないプロセスであり、非常に環境にやさしい。結果としての層は、冶金的に基材に融着し、層間剥離もない。また、クロムメッキと違い、穴もできないので、効率的な長期保護が可能になる。
「EHLAでは、レーザは粉末粒子を溶かすが、粒子は溶融プールの上方にある」。このことの意味は、液状物質は、固体粉末粒子ではなく、溶接プールに落ちるので、層はより一層均質になる。さらに、溶かされる基材が少なくなり、1㎜ではなく、わずか数マイクロメートル(µm)で十分である。
 その結果、コンポーネントは、従来のレーザ材料蒸着よりも100~250倍高速に、基板の加熱も最小限にコーティングできる。EHLAは、熱の影響を受けやすいコンポーネントのコーティングも容易にする。また、アルミニウムベースの合金、鋳鉄への被覆など、全く新しい材料の組合せにも使用できる。
(詳細は、www.ilt.fraunhofer.de)