January, 22, 2016, Livermore--ローレンスリバモア国立研究所(LLNL)の論文によると、金属3Dプリンティングの最も一般的な方法が飛躍的に伸びているが、プロトタイプの作製から重要部品の製造への移行は、プロセスの背後にある複雑な物理学の基本的な理解なしにはできない。
選択的レーザ溶融(SLM)、粉体層融合プロセスでは、金属粉末の薄い層がビルドエリア全体に広がらなければならない。ここでは、3D CADモデルに基づいてレーザまたは電子ビームで金属粉体層が溶融される。そのプロセスは、下からレイヤーごとに、部品が製造されるまで繰り返される。
LLNLのWayne Kingによると、その方法が急速に製造技術に進歩したとしても、航空宇宙やヘルスケアなどの産業向け金属部品の3Dプリンティングは、完成部品の信頼性欠如により阻止される。このハードルは、物理学に基づいたモデリングと高性能コンピューティングとを組み合わせて、個々の部品製造に適切なパラメータを決めることによって克服できる。
「部品を重要なアプリケーションに適用するには、部品が品質基準に合致していなければならない。われわれのプロジェクトは、部品の品質に信頼性を構築するために積層造形工程の科学に基づいた理解を促進することである。金属積層造形法による柔軟性を活用できるように認証と品質認定を早めたい。理想的には、月曜日に部品を製造して品質認定し、同じ機械で火曜日に別の部品を製造して品質認定したい」と研究所のACAMMリーダー、King氏はコメントしている。
研究チームの包括的な粉末モデルは、金属プールの形成、発展、凝固を扱っており、レーザ出力、速度、ビームサイズと形状が、どのうよに異なるタイプの金属に影響を与えるかの理解向上と、新しい材料のためのパラメータ開発に利用できる。また、レーザと粉末との相互作用における支配的な物理プロセスについての洞察を提供し、将来的にSLM法改善の指針を提供するためにも使用できる、と論文の共著者、Andy Andersonは説明している。
部分スケールモデルは、フルスケール部品の3Dプリンティングをシミュレートし、所定のタイプの金属やレーザ工程パラメータからの応力や熱の影響を計算する。これによってプリンティング中の、不合格部品になり得る変形や応力の予測改善が可能になり、品質向上に役立ち、新しい部品考案に関わる当て推量を排除することができる。
物理学的モデルとデータマイニング技術、不確定性分析を統合することで、多重実験のコストをかけずに金属部品の最適化ができ、金属3Dプリンティングの採用範囲を広げることができる、と研究者は話している。