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TRUMPFとElementum 3DがINTENSE Cyclesの再設計課題を解決

February, 22, 2024, Erie, Colorado--金属積層造形(AM)の先端材料、プリントパラメータ、サービスの大手開発・サプライヤElementum 3Dは、TRUMPF Inc.と協力して、A6061-RAM2合金により、INTENSE Cyclesが伝説的なM1ダウンヒルレースバイクを再構想するために再設計され、積層造形された「バックボーン」を可能にした。
マウンテンバイクメーカー間の競争は、プロのダウンヒルライダーが最初にコースを降りるのと同じくらい熾烈である。自転車業界では、アディティブ・マニュファクチャリング(AM)や3D金属プリンティングを使用して、画期的な生産部品のプロトタイプ作成とプリントをますます模索するようになっている。

INTENSは、30年間、自転車業界とダウンヒルバイクのリーダーであり、レースサーキットで実証され、スポーツのあらゆるレベルのライダーが切望するハイエンドのカーボンファイバとアルミニウムの乗り物を製造している。製品の改善を続け、チームが最精鋭レースで競い合えるようにしたいという同社の意欲は、アディティブ・マニュファクチャリング(AM)技術の採用につながった。

INTENSE の創設者/CEO Jeff Steber は、実践的なアプローチを持つデザイナー、アーティスト、職人である。同氏は、AMを自転車のフレームや部品製造に統合することに熱心である。「私はアルミニウムで働き、アルミニウムで『考える』ので、AMは私と私のチームに創造的な機会の新たな世界を開く。INTENSEは芸術性とエンジニアリングを融合させたものだと言っている。もはや金属板やチューブに限定されない。どんな形でも自由に作れる」とコメントしている。

1990年代半ば以降、他のライダーやそのスポンサーを表彰台から遠ざけてきたM1ダウンヒルバイクを再考するために、Steberのチームは、6061アルミニウムの1つの部品からM1のバックボーンを設計および製造することを計画した。部品と素材は、バイクのサスペンション性能を最適化するために重要である。革新的な新しいデザインには、内部リブが組み込まれており、より強く、より軽くなっている。しかし、これにより、従来の機械加工技術では作成が不可能になった。

それが自然と『INTENSE』の制作チームをAMに導いた。同社は、3Dプリンタを含む幅広い製造ソリューションを製造するTRUMPFと提携した。INTENSEの鍵となったのは、TRUMPFが自転車部品をプリントした経験と、INTENSEがアルミフレームにすでに使用しているのと同じ合金である溶接可能な6061アルミニウム(Elementum 3DのA6061-RAM2)を使用して部品をプリントできることだった。

最初のバックボーン設計はプリンティングに理想的ではなかったため、TRUMPFはTENSIVE社のエンジニアに、プリント適性を向上させるために低角度の突出し量を取り除くようアドバイスした。TRUMPFの最新のビルドプロセッサ「TruTops Print」は、ダウンスキンのプリント適性を45°から25°に向上させ、バックボーンのオーバーハング支持材料を大幅に減らし、エラー、材料の使用、後処理の手間を低減した。

TRUMPFは、A6061-RAM2原料の納入についてElementum 3D社に連絡を取った。納品と技術的な詳細の確定は予想よりも早く完了し、TRUMPFは既存インフラで粉末がうまく機能していることをすぐに確認することができた。INTENSE A6061-RAM2は、薄肉チューブを含む他のフレーム部品との溶接や熱処理が容易であるため、社内の自転車フレームのプロトタイピングに適していると確信した。

TRUMPFの金属3Dプリンティング用アプリケーションエンジニアChristian Lengwenatは、Elementum 3Dの関与に満足しており、次のように話している。「信頼できるフレンドリーなグループと一緒に仕事をするのは心地よい。その高度な材料特性と表面仕上げはわれわれの期待を上回っており、われわれはより多くのElementum 3D粉末を当社の機械に使用する予定である。」

最初のテストビルドから、INTENSEはA6061-RAM2の溶接性を高く評価し、多孔性や汚染の問題がなく、ビレット加工された6061で作業しているのとまったく同じであると認識した。TRUMPFは、2週間で実用的なプリントパラメータを作成でき、わずか2つのDOEs(実験計画法)で材料の期待相対密度値に達することができる、予測可能な加工性を気に入っている。

特にプリント部品の表面仕上げと精度を考えると両社は、A6061-RAM2がこのプロジェクトに最適であると考えた。バックボーンをフレームに溶接した後、どの部品がプリントされ、機械加工、または鍛造されたかを判断することはほぼ不可能だった。

Steberは、「TRUMPFとElementum 3Dが提供してくれた素晴らしい仕事に感謝している。両社の指導と専門知識は、新しいM1の製造を成功させる上で重要な役割を果たした。M1が2023年のUCI自転車競技世界選手権で2位に入賞したことを報告できて喜んでいる」とコメントしている。

このプロジェクトとバイクの性能に基づいて、INTENSEは消費者向けのM1生産を強化しており、将来のプロトタイピングプロジェクトやその他の生産部品にAMを組み込むことを計画している。