September, 26, 2023, 小牧--santec AOC株式会社は、同社第3世代の液晶LCOS(Liquid Crystal on Silicon)技術を用いて、金属加工に有効なグリーンレーザ500Wのパワーに耐光するLCOS型空間光変調器(SLM-310-G)を開発した。
santecの長期信頼性を要求される光通信機器用途で培われたLCOS技術と、今回の耐熱性に優れた独自のLCOS構造設計と耐光性に優れた液晶材料の開発により、レーザ加工分野で注目される波長515nmグリーンレーザで500Wの耐光性を実現した。金属等の光吸収は、近赤外の波長1μmに比べて、グリーン波長の吸収が大きく、レーザ加工で有利な波長帯と知られている。
今回の成果は同社従来比2.5倍となる光出力パワー500Wのグリーンレーザに耐光する水冷式LCOS型空間光変調器。LCOSパネルは寸法(縦)15.36mmx(横)9.6mm、対角0.72インチ規格と小型なLCOS素子を採用しており解像度はWUXGA規格(1920x1200)の230万画素、階調度は他社8bit(256階調)より4倍優れた10bit(1024階調)が特長。
Santecの光通信機器向けLCOSで培われた優れた位相安定度も兼ね備えており高精度な空間位相制御が可能。LCOS型空間光変調器の高耐光性とsantecのCGH(コンピュータ計算ホログラム)技術の適用により、加工用レーザのビーム成形や多点レーザ照射など、従来技術のガルバノビームスキャナーでは成し得なかった新しい付加価値を伴うレーザ積層造形(Additive manufacturing)が500Wクラスのレーザで実現する。様々な金属3Dプリンタやレーザ溶接加工機へ導入可能である。
(詳細は、https://www.santec.com)