June, 2, 2023, Aachen--ガルバノメータスキャナは、数10年にわたりレーザ材料加工で使用されている。しかし、Fraunhofer Institute for Laser Technology ILTのチームは、3Dプリンティング、マイクロマシニング、医療技術のアプリケーション用に特にコンパクトなスキャナモジュールを開発した。研究チームは、すでに、様々なアプリケーションでそれのテストに成功している。
より小さく、軽量、効率的で持続可能性があること、これらは今日のシステム開発者に課せられた要件である。Fraunhofer ILTチームは、スキャナドライブとミラー基板を融合することでこれらの要件を満たすことに成功し、成果は極めて小サイズ。平面ガルバノメータスキャナは、従来システムと比較して、最大90%の設置スペースを節約する。わずか50 cm³の特別にコンパクトな設計は、広範なアプリケーションで新たな可能性を開く。
開口部10㎜の市販ガルバノメータスキャナは、平面ガルバノメータスキャナの10~50倍の設置スペースを必要とする。このスペースが削減されるにともない、スキャナユニットの重量も減少する。生産性を高める多くの新しいアプリケーションや機会を開く利点である。
スペースと重量の大幅削減により、その新しいスキャナは、医療技術アプリケーションなど、ハンドガイドレーザ加工向けのアプリケーションに、精度あるいはダイナミクスを犠牲にすることなく組込可能である。
産業用マルチビームシステムに組込
産業用途では、そのミニスキャナは、全てのハンドヘルドマーキングおよびエッチングシステムにも適している。加えて、そのコンパクト設計によりマルチスキャナは、単一の加工ヘッドに組込可能である。この目的でFraunhoferの研究者は、4個の2D偏光ユニットと1個のfθレンズを搭載したデモンストレータを構築し、評価した。スキャナアレイは、構築体積140 x 140 x 90 mm³である。
研究チームは、レーザマーキングとレーザエッチングアプリケーションでレーザパワー最大150W/スキャンヘッドによるシステムのテストに成功した。従来のガルバノメータスキャナに匹敵する正確さとダイナミクスである。他の潜在的アプリケーションには、3Dプリンティング、マイクロマシニング、ペイントストリッピングおよびでコーティングがある。4あるいはそれ以上のスキャナにより、加工作業は、並列化でき、スキャナの数に比例して生産性は直線的に増加する。
ミニスキャナは、市販のモデルベース制御エレクトロニクスを使用する。これにより顧客は、標準通信プロトコルを利用して既存装置にそれを組みこめる。このクローズドループ制御は、特にトラッキング遅延時間なしにスキャニングできるので、従来のPIDコントローラよりもロバスト、精密、高速である。Fraunhoferレーザ専門家は、顧客ニーズに調整した個別システムを開発することができる。