February, 14, 2025, San Francisco--Grand View Research, Inc.の新しいレポートによると、世界の3Dプリンティング金属市場規模は2030年までに29億ドルに達し、2025~2030年に、CAGR 17.3%で拡大すると推定されている。
歯科、自動車は、3Dプリンティング技術の必要性を推進している。
金属の3Dプリンティングは、デジタル設計図を通じて複雑なデザインのオブジェクトを製造するために使用される積層造形(AM)プロセス。名前が示すように、このプロセスには、金属粉末またはフィラメントの形で材料の薄い層を追加または堆積させ、その後、層を結合することが含まれる。形態に基づいて、粉末は、生の状態では取り扱いが困難で危険であるにもかかわらず、そのユニークな構造のために好ましい原料であるため、市場の主要なシェアを占めている。
このプロセスでは、様々な種類の金属またはその合金が利用される。チタンは、3Dプリンティングに最も適した製品タイプ。軽量で耐久性のある完成品を提供するチタンの独特の特性により、重要なアプリケーションで有用である。
2024年2月、米国を拠点とする受託製造業者Armadillo Additiveは、医療機器セクターの精密エンジニアリングを対象とした新しい積層造形施設を立ち上げた。同社は、新しいマシンで、Ti-6Al-4Vグレード23チタン製品に特化している。
最終用途別では、航空宇宙・防衛産業が最大の市場シェアを占めている。この業界は、3Dプリントの高い初期費用を負担する能力がある。また、航空宇宙・防衛企業は、重要な分野での3Dプリンティングの浸透が進んでいるため、3Dプリンティングの信頼性を拡大するために投資している。例えば、2024年1月に発表されたニュースによると、最初の金属3Dプリンターは、国際宇宙ステーションのColumbusモジュールに搭載されてテストされる予定とされている。これは、宇宙での製造や、将来の火星や月へのミッションを開始するための重要なステップとなる可能性がある。
北米は、3Dプリンティングの成長と発展にとって最も重要な地域である。アディティブ・マニュファクチャリング技術の成長は、航空業界で高効率の重要なコンポーネントの消費が増加しているため、この地域で推進されると予想される。主要な政府および民間の航空宇宙企業の存在は、この地域での高額な防衛および宇宙支出と相俟って、市場の成長を支えている。
グローバル市場は、世界的にM&A活動の増加を特徴としており、大手企業が高度な技術、効率的なプロセス、地域市場での存在感などの競争力を持つ中小企業の株式を取得している。
例えば、3DプリンタメーカーのNano Dimensionは、金属部品用3DプリンタのメーカーであるDesktop Metalを買収すると発表した。この買収は2024年第4四半期に完了する予定。
3Dプリンティング金属市場レポートのハイライト
・3Dプリンティング技術は、正確で迅速なプロトタイプを提供し、市場投入までの時間を最適化する技術の能力により、注目を集めている。ヘルスケア、自動車、家電業界での3Dプリンタ採用の増加は、市場を大きく牽引する可能性がある
・製品別では、チタンセグメントが2023年に43.8%という最大収益シェアを獲得し、市場をリードした。高い疲労強度、強度対重量比、優れた耐食性などの特性は、チタンの需要を促進する上で重要な役割を果たしている
・粉末セグメントは、選択的レーザ焼結法(SLS)や直接金属レーザ焼結法(DMLS)など様々なAM技術との優れた適合性により、2024年に94%の最大のシェアを保持した。
・航空宇宙・防衛分野は、軽量で耐久性に優れた高性能部品の必要性に後押しされ、2024年に43.3%と最大のシェアを占めた。3Dプリンティングにより、材料の無駄を減らしながら、複雑でカスタマイズされた部品を作成することができる