TRUMPFとExploration、3Dプリンティングで提携

February, 7, 2024, Ditzingen/Planegg/Bordeaux--TRUMPFと欧州の宇宙旅行スタートアップ企業The Exploration Companyは、地球周回軌道上および月面へのミッションに向けた宇宙船のコアコンポーネントの建設で協力している。
早ければ2024年春にも、Explorationはレーザ専門の3Dプリンタを使用して、ミュンヘン近郊のPlaneggにあるNyx Moon宇宙船のHuracán and Mistralエンジンのコアコンポーネントをプリントする予定である。目的は、Huracánエンジンを軌道上でバイオメタンと酸素で再利用可能にし、燃料を補給できるようにすることである。「われわれの目標は、以前よりも費用対効果の高い宇宙ミッションを提供すること。われわれの宇宙船は、TRUMPFの製造とアプリケーションの専門知識の恩恵を受けることができる。TRUMPFは、高精度部品の製造において数十年の経験を持っている」と、The Exploration CompanyのCEO、Hélène Hubyは話している。このスタートアップは、2026年の最初のミッションで、宇宙カプセルを地球周回軌道に数か月送る予定である。2028年からは、さらなる月へのミッションが計画されている。宇宙船は当初、貨物を運ぶが、長期的には人も飛行機で乗る。

このスタートアップは、これまでに民間および公共の投資家から6,500万ユーロを調達している。同社は、ミュンヘン近郊とBordeaux近郊のPlaneggにある拠点で合計約120人の従業員を雇用している。商業宇宙旅行は成長産業と見なされている。専門家は、航空機と宇宙船の生産の世界市場は2023年に7,400億ユーロに成長すると予測している。

航空宇宙企業は3Dプリンティングに依存
「当社の3Dプリンティング技術により、宇宙旅行産業の商業化を推進している。今日の宇宙旅行業界で成功したいのであれば、AMを利用する必要がある」と、TRUMPFでアディティブ・マニュファクチャリング(AM)事業担当、Tobias Bruneはコメントしている。設計者はAMを使用して、アセンブリ全体を1つのコンポーネントに結合する。これにより、重量が軽減され、複雑さが軽減される。グラムを節約するごとに、燃料費が削減される。さらに、コンポーネントが複雑でないため、ロケット打ち上げ前の安全テストのコストが削減され、宇宙でのミッションが成功する可能性が高まる。

3Dプリンタの助けを借りて、The Exploration Companyは貴重な原材料を節約している。このシステムは、最終的に宇宙に飛ぶ材料のみを使用する。これまで、航空宇宙企業は、スタンピング、鍛造、鋳造などの従来の製造方法を使用して部品を製造していた。材料の多くは廃棄物として終わった。

AMは、航空宇宙産業では通常多くの時間を要する迅速なプロトタイプ開発を可能にする。設計ソフトウェアを使用すると、ユーザはマウスをクリックするだけでプロトタイプを改善できる。その後、3Dプリンタは数時間以内に新しいプロトタイプを製造できる。従来の製造方法では、これらの複雑な形状のいくつかの製造は不可能であったり、数週間から数か月かかるものだった。