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デスクトップ3Dプリンティング市場、2030年に209億3000万ドル

August, 23, 2023, San Fraucisco--Grand View Researchのレポートによると、世界のデスクトップ3Dプリンティング市場規模は、2023ー2030年にCAGR 23.4%成長で2030年に209億3000万ドルに達する見込である。
デスクトップ3Dプリンティングは、コンピュータ支援デザインソフトウエア、またはデジタル3Dモデルを使って3D物体のデザインと製造を行う。3Dデスクトップ3Dプリンタの市場は、大きく成長している。様々な産業、歯科、ヘルスケア、ファッション、宝石などの様々な産業でプロトタイピング、ツーリング、デザインアプリケーション、カスタマイズされた物体やギフトの製造で需要が伸びているからである。この技術は、中小エンタプライズに、費用対効果の優れたソリューションを提供するので、企業は従来の製法と比べて、製品を個人化し、同時に製造コストを最小化できる。

デスクトップ3Dプリンタ需要は、著しく伸びている。原動力は主にホビイストやイノベータの3Dプリンティング技術に対する関心の高まりである。個人が、個人および家庭内利用にデスクトップ3Dプリンタをますます活用するようになり、一方、大学や教育機関が技術訓練や研究目的で採用している。

デスクトップ3Dプリンティングと関連技術は、プライベートおよび公共分野の広範なR&D取組により推進されている。政府や民間投資会社によりメーカーは、既存のデスクトップ3Dプリンティング技術を革新し、最先端ソリューションの採用を促進している。

2022年、北米が、約39%の最大収益シェアで市場をリード。これは主に、様々な産業で、モデリング、設計、プロトタイプやコンポーネント製造に3Dプリンタの採用が普及したためである。一方、APACは、予測期間に最高CAGR 27.4%で成長すると予想されている。APAC地域の成長には複数の要因がある。急速な産業化と都市化、公共インフラストラクチャの発展、コンシューマエレクトロニクス製品のプレゼンス強化、最適化された労働コストという利点など。

デスクトップ3Dプリンティングは、巨額のCAPEXを必要とする技術であり、プロトタイピングについての誤解のために、その利点の受入に、まだ躊躇している。市場は現在、標準化されたプロセス制御や熟練労働力が欠如しており、これが拡大を制約している。とは言え、3Dプリンタ利用の利点についての認識向上と強調を狙う政府の戦略がこれら市場の制約の克服に役立つとみられている。

2022年3月、3D Systemsは、手術応用エコシステム向けにAIを利用するソフトウエアアプリケーションを提供している会社、Enhatchと提携した。この提携により、AIを3D Systemsの患者特化ソリューションに組み込むことができる。これには、先端ソフトウエア、専門家による治療計画、カスタムインプラントや機器設計、製造プロセスなどのサービスが含まれている。この組込により3D Systemsは、増加する個人化医療デバイス需要に効率的に応えることができる。

デスクトップ3Dプリンタの市場レポートのハイライト
・デスクトップ3Dプリンタ技術は、大きく成長している。効率的、正確、迅速なプロトタイピングを提供することができ、最適化されたTime to Marketにつながるからである。
・デスクトップ3Dプリンタ需要が、個人利用向けにホビイストの間で増加している。教育分野の研究やトレーニング目的でも需要が伸びている。
・機能部品セグメントは、2022年に市場で優勢。2030年までには、その市場シェアは48%を超える見込である。製造コスト削減、Time to Market加速、量産開始前に機能的なプロトタイプのリードタイム短縮などの利点によるものである。
・2022年、プラスチック材料セグメントが、市場シェア約51%だった。しかし、金属セグメントが最速成長とみられている。自動車、航空宇宙&防衛など、様々な業種で金属3Dプリンティング需要が増加しているからである。
・APAC地域が、多くの産業で製造ハブとなっている。中国、日本、韓国などの諸国で急速な都市化が、インフラストラクチャ開発の必要性に拍車をかけており、これが様々な産業でデスクトップ3Dプリンティングの採用につながっている。