February, 8, 2022, Aachen--積層造形プロセスは、従来の製造技術に対して優勢になりつつある。それがより柔軟であるとともに、経済的で高機能だからである。生産性だけは、まだ従来プロセスに後れをとっている。ドイツ-カナダコンソーシアムは現在、人工知能(AI)でこれに対処しようとしている。プロセス制御用の新しいソフトウエアによりレーザ材料堆積(LMD)は、特に、自動的に最適化され、著しく生産性が向上する見込である。
コーティングの磨耗部品が効率的、適応的に
カナダの工作機械メーカーは、砿業や石油産業から多くの受注を獲得してる。例えば、砿業が使用する岩石破砕歯は、定期的にオーバーホールする必要がある。LMDプロセスを使用して、磨耗部分が元の形状が再建されるまで新しい層を付け加えることができる。
この修復プロセスの問題点は、部品の不均一な磨耗である。すなわち、様々な厚さの層に対処しなければならない。オペレータは、個々のコーティングステップ後に、少なくとも10層ごとにこれを計測し、プロセスを再調整しなければならない。
ドイツ-カナダコンソーシアムは、次のようなプロセス制御の自動化を始めた。プロジェクト“Artificial Intelligence Enhancement of Process Sensing for Adaptive Laser Additive Manufacturing AI-SLAM”(適応型レーザ積層造形プロセスセンシングのAI強化)では、パートナーは、プラントメーカーがLMD工程の自動運用に利用できるソフトウエアを共同開発している。この目的のために、システムは、コーティングプロセス中に形状を自動記録、所定の外形からの逸脱を検出し、供給量など、プロセスパラメタを再調整する。
最適化された制御パラメタは、AIの助けを借りて計算される。ソフトウエアが大きなデータセットを分析し、プロセス反復的改善法を独立に学習する。この3年プロジェクトのごく最近の成果は、Fraunhofer ILTファシリティで、コンポーネントのスキャニングと自動経路計画の両方でソフトウエア機能の作動である。
さらなるAI応用でドイツ-カナダ協働
ドイツ側では、Fraunhofer ILTとソフトウエア開発者BCTが、AI SLAMに関与する。カナダでは、プロジェクトは、National Research Council of Canada NRCがまとめる。McGill Universityのチームが、プロジェクトの研究側を担当し、Braintoy (Calgary)はマシンラーニングアルゴリズのプログラミングに関与する。Apollo Machine and Welding Ltdは、 LMDの産業サービスプロバイダとしてプロジェクトに参加。
プロジェクトの焦点は非常に複雑である。基本的に、可能な限りのプロセスデータを組織的に収集し、処理しなければならない。このデータから、複雑なルーティーンが、プロセスコントロールがどのように最適化できるかを自動的に学習する。目的は、最終的に、少ない努力で、より多くを生み出すこと。
カナダのパートナーは、Apolloなど企業の修復のためにLMD技術を継続して開発している。Apolloは、磨耗部品の修復のために年間に数トンの材料を使用する。したがって、自動プロセス制御による効率向上期待は高い。
プロセスデータ交換、マシンラーニングモデルの実装のために、Braintoyの独自のウエブプラットフォーム、mlOS (Machine Learning Operating System)が、全てのプロジェクトパートナーが利用できるようになった。
AI-SLAMプロジェクトは、カナダとの3+2資金援助プログラムの一環として、2024年3月まで続行の予定である。
(詳細は、https://www.ilt.fraunhofer.de)