粉末冶金市場規模､2028年に50億2000万ドル

November, 4, 2021, Sun Francisco--Grand View Research, Incのレポートによると､世界の粉末冶金市場規模は､予測期間にCAGR 11.4%成長で､2028年までに50億2000万ドルに達する見込である｡
　積層造形(AM)を使い航空機の重量を減らす構想､自動車産業からの軽量自動車部品の需要増が、市場の成長の原動力である｡

航空機メーカーは､航空機部品のコストと重量の軽減を重視しており､これは高性能でコスト効果の優れた航空機部品を供給する3Dプリンティング材料需要を後押ししている｡外観､サイズ､材料適合性に関する3Dプリンタ数の増加は､最終的には､強力な競争戦略と結びつき､様々な提携や合弁の拡大となり､これが市場の成長をさらに促進する｡

医療機器の利用増とともにパーソナル義肢向けにヘルスケア産業からの需要増が､主に金属AM市場からの販売を後押しする｡産業分野では､迅速なプロトタイピングやオンサイト製造が､予測期間に市場ベンダにとって有望な成長機会を提供すると見られている｡

2020年､COVID-19パンデミックは､製造および冶金業のシャットダウンを招き､上流と下流の両方に影響を与えた｡粉末冶金産業の重要なエンドユースセグメント､自動車､航空宇宙､コンシューマ製品などは､FY2020には負のトレンドだった｡例えば､2021年4月､トヨタ自動車は､2021年3月末の会計年で世界的に5.1%の販売落ち込みを経験｡これは､自動車および他の産業製造活動を停滞させ､鉄､スチール､アルミニウムなどの粉末金属の需要の深刻な落ち込みをもたらした｡

粉末冶金市場レポートのハイライト
･鋼材セグメントは､予測期間に､収益関連で､CAGR 12.0%が予測されている｡鋼材の低コストと利用しやすさが､同セグメントの成長を後押しする見込である｡
･2020年､金属粉末射出成形法(MIM)工程セグメントがグローバル市場をリード､今後数年にわたり着実な成長が予測されている｡これは､コンポーネント製造産業で同プロセスが重視されているからである｡
･航空宇宙&防衛セグメントは､2020年､最大収益シェアだった｡同セグメントは､巨額投資で新技術採用を極めて重要視している｡これが同セグメントの重要な原動力である｡
･大規模OEMs､一般に航空機産業が､航空機部品を製造するために､金属3Dプリンティングに積極投資している｡これが､予測期間に､OEMsエンドユースセグメントの最速CAGRの原動力｡
･北米は､2020年､主要な地域市場だった｡その優位性は､予測期間も続くと見られている｡主要なヨーロッパ諸国で技術セグメントのR&Dと標準化への資金の増加が､市場の成長を後押しすると見られている｡