March, 26, 2018, Melbourne--スウィンバーン工科大学(Swinburne University of Technology)は、デジタル製造工程の画期的な研究の一環としての炭素複合材製造に向けて世界初の運用可能インダストリー4.0(Industry 4.0)テストラボを設立する。
Swinburne のIndustry 4.0の目玉は、炭素繊維複合材製造への世界初の工業規模3Dプリンティング「多層」(Multilayer)アプローチである。プロセスは、業界コンソーシアムと協議してSwinburneの仕様向けに、オーストリアの世界的なリーディング工業会社Fillが開発した。
Fill独自のMultilayerプリンティング技術は炭素繊維から商用部品を比較的安価に製造でき、無駄は最小限、また生産能力は向上している。
Industry 4.0は、製造プロセスのデジタル変革である。
炭素繊維複合材は、無限の設計柔軟性とスマート製品製造機会を提供する人工材料。しかし、製造速度と高い労働コストのために、現在は、工業規模での量産は困難である。
Swinburneは、装置メーカー3社とサプライヤー1社と協力し、統合製造ラインで実際の商用部品の製造デモを行った。これには、マルチレイヤプロセスに加えて、樹脂分注やキュアリングが含まれる。
このプロセスは、部品設計と最適化から完成製品まで完全デジタル制御される。 「われわれの産業パートナーとともに、プロセスのデジタルツインを実現し、バーチャル調整試験の限界を押し上げる」とSwinburneの Manufacturing Futures Research Instituteディレクター、 Bronwyn Fox.教授はコメントしている。
SwinburneのIndustry 4.0テストラボ実行への移行は、工業巨大企業Siemensから記録的な1億3500万ドルの産業デジタル化助成金を受けたわずか数ヶ月後である。助成金は、SiemensのFactory of the Futureデジタル化、オーストラリア初の完全Industry 4.0ファシリティ実現を目的にしている。
Fox教授によると、Industry 4.0テストラボによりオーストラリアのメーカーは、最先端の技術にアクセスできるようになる。
The Advanced Manufacturing Growth Centre (AMGC)レポートによると、世界経済の41%が中間製品市場にあるが、オーストラリアの参入率は現在1%以下である。
このことは、オーストラリアのSMEsにとって大きなチャンスであり、国際的な協力によりSwinburneのIndustry 4.0テストラボは、オーストラリアのSMEを世界の価値連鎖に積極的に結びつける。
Swinburneの副総長、Aleksandar Subic教授は「炭素繊維複合材のような新しい世代の材料は、SwinburneのIndustry 4.0テストラボおよびFactory of the Futureの核心にある」とコメントしている。
「Fillとの提携は、われわれの戦略にとって特に重要である。複合材製品の独自の3Dプリンティング技術をわれわれのラボに導入し、そのプロセスを完全自動化できるようになるからである」。
「最終段階では、Siemensとの戦略的提携を通じてラボをデジタル化する」とFox教授は話している。
(詳細は、www.swinburne.edu.au)