October, 22, 2015, Munich--フォトニックサイエンスのJens Biegert教授をリーダーとするアトサイエンス/ウルトラファストオプティクスグループの研究チームは、マックスプランク研究所量子オプティクス(MPQ)、ルートヴィッヒマクシミリアンズ大学(LMU)と協力して、世界的に例のない画期的な広帯域、コヒレント赤外光源を開発した。
この光源の記録的なピーク輝度によって光源は、赤外分子指紋(フィンガープリント)領域の超高感度ディテクタになる。これは、DNA突然変異の明らかな兆候、ガンなどの細胞の機能不全の存在など、細胞、組織のスペクトル特性の微妙な変化を検出するには理想的である。
中波赤外は、その光波長が分子振動を共鳴励起できるので、極めて重要な電磁スペクトル領域である。したがって、サンプルを通して輝く光は、特定可能なスペクトルの共鳴フィンガープリントを残す。オンコ-メタボロイドからの微量濃度を検出できる十分な輝度で赤外スペクトルをカバーする光源が存在しなかったことが、ガン検出では主要な問題だった。
これまで、このような要求に対処する光源を開発するために、ICFOの研究グループは、MPQ/LMUのチームと協働してきた。その光源は、中赤外レーザ光に対して主導権を発揮し、比類のないピーク輝度、6.8~16.4µmをシングルショットでカバーする。放出光はコヒレントであり、各レーザパルス幅は66フェムト秒(fs)、これは電界がわすか2回振動するくらいの短さである。こうした特性により、そのコヒーレンスと相俟って、光源はコンパクトな超高感度分子ディテクタになる。