Science/Research 詳細

核酸分析用単一分子検出マシーン

September, 14, 2015, Sankt Augustin--フラウンホーファーFITは、微量核酸分析向けに単一分子検出機(SMDM)を発表した。同システムは、バイオマーカー特定に使用できる。バイオマーカーは、病気の早期指標となり、これにより治療予測ができる。
 超高感度検出システムが、今日のライフサイエンスで重要要素になりつつある。開発の狙いは、生体分子量の検出と特定での高感度とサンプル消費量を可能な限り少なくすることにある。目的は、病気の早期診断、新しい有効成分を素早く高信頼に見つけること、環境汚染物質の存在を実証すること、生物学的過程の品質制御。
 FITは、特にこのような応用分野向けにSMDMを開発した。フラウンホーファーFITが開発した高感度共焦点顕微鏡と蛍光検出が用いられる。蛍光マーカーは、DNA、RNA、タンパク質のような生体分子につけ、レーザを使って蛍光を誘導する。検出モードは、高感度であり、さらにマークされた生体分子のタイプ、振る舞いについても広範な情報を提供する。
 「われわれの分析法の研究開発には数年かかった。この方法は、単一分子輝度レベルをベースにし、それをアルゴリズムにしている。結果として得られたプロセスにより、われわれは分子について必要な情報を、より速く正確に生成することができる」とフラウンホーファー応用情報技術FIT研究所BioMOSグループ長、Harald Mathis教授は説明している。
 SMDMで検出可能な最小分子濃度は、1pg/µl。
 Frounhofer Zukunftsstigtungが支援するRibolutionプロジェクトでは、現在SMDMを核酸分析の品質制御に使用している。特に核酸の質料濃度を高い感度で測定するために用いる。実際、達成した感度は、UV吸収を使う競合システムより数桁高い。また、このシステムは、<1µlのサンプル量で計測できるので、サンプル消費を最小化することでコストを削減することが可能になる。現在、1~1000pg/µlの濃度でDNA、RNA混合を定量化できる。
 SMDMは、核酸混合のストランドの長さを高感度計測できる。ストランドの長さ分布を精密判定するために、Open Micro-Electrophoresis Chip(OMEC)を開発し、それをSMDMに組み込んだ。このチップにより、単一分子レベルで、分子を分離して分析することができる。
(詳細は、www.fraunhofer.de)