August, 28, 2015, New York--研究チームは、レーザ光と油脂コートの銀ナノ粒子を含む新しい方法を利用して、細胞デコイの外皮を突き破ろうとしている際に、アルツハイマー分子の捕まえにくい毒性形態を垣間見た。
アルツハイマーの源泉、老人から記憶を奪うものは、まだ盛んに議論されているが、細胞膜を攻撃する能力を持つアミロイドベータ分子の特殊形態であると考えられており、これが主犯である。その形状や形態がよく分かっていればこの分子の撃退は容易になるが、これまでのところ困難な仕事であることが証明されている。
「皆がアルツハイマー病を解決する鍵を得ようとしているが、ロック(錠)がどのようなものであるかは分かっていない。現在、ロックと思しき何かを垣間見たところだ。恐らくそれはまだ本物ではないだろうが、現状ではこれが最善策だ」とSudipta Maiti氏は説明している。同氏は、P.K. Madhuと共同で研究を指揮している(両者ともTIFR)。もしこの研究が正しければ、鍵の設計、つまりロックを打ち破る薬剤分子作製の達成可能性が高くなる。
ロックは、捻りが入ったヘアピン形状のアミロイドベータ分子の束のように見える。研究の主コントリビュータ、Debanjan Bhowmik氏は、「これは以前に疑わしいとみられていたが、われわれが見つけたものは構造における予想外の捻りで、ベータ-ヘアピンになるところだ。考えられていた一般的なヘアピンとは全く違う。これにより、これら多数のアミロイドベータ分子が細胞膜に毒性の穴を開ける可能性がある」とコメントしている。
論文は、インド科学研究所タータ基礎研究所(Tata Institute of Fundamental Research)とトロント大学の研究チーム共同でACS Nanoに発表された。それによると、改良版ラマン分光計を使用することで、これまで研究者が何年も見逃していた問題を解決した。
研究チームは、アミロイドベータからの微小なレーザ誘導信号を調べた。初期のラマン分光技術の決定的な改良により、それがなければ見逃していたような、微小信号の計測が可能になった。研究チームは、銀ナノ粒子を脂肪層に完全に包み込んだ。脂肪層は、生きた細胞の外皮を模擬したものである。共著者Gilbert Walkker氏は、「アミロイドベータがそれに欺されて膜に付着したが、内部の銀が計測できるレベルに信号を強化し、灯標のように働いてペプチドシグネイチャを明らかにした」と説明している。この技術は、多くの同様の膜分子形状識別にとって有望である、その内のあるものは他のタイプの病気に関連している可能性がある。