June, 26, 2015, Champaign--イリノイ大学の研究チームが開発したイメージング技術により、眼科医はコンピューティングパワーを使って患者の目の奥の細胞を個別に見ることができるようになる。
目の奥の細胞、血管、神経の詳細画像によって変性眼や神経疾患の早期診断、治療の改善がが可能になる。
この技術は適応光学を、目の奥の網膜をスキャンする計測器に採用している。しかし、イリノイの研究チームは、複雑なハードウエアを使用する代わりに、コンピュータ計算で補償する。
眼科で普及しているイメージング技術であるOCTは、一般的な目のイメージングには役立つが、網膜の感光性細胞である、個々の桿体視細胞や錐体視細胞まで焦点を絞ることはできない。また、OCT画像は不鮮明になる、これは目の不完全性、目が絶えず動くためである。
コンピュータ適応光学は複雑なアルゴリズムをOCTデータに適用し、目の収差や動きを補償し、解像度を高め、個々の細胞や神経が見えるリアルタイム画像を提供する。
ハードウエアベースの適応光学システムは、レンズ、ミラー、レーザの精巧なセットアップでOCTイメージングを強化するために開発されたが、そのようなシステムは非常に高価であり、扱いにくく、臨床利用では実用的ではない。新しいコンピュータアプローチは、旧いシステムのハードウエアを少しアップデートするだけで、既存のOCTシステムに適用できる。
コンピュータ適応光学は、患者に固有の目の構造や形状に調整できるのでハードウエアセットアップに対して優位性もある。医師は1度スキャンして、その後で目の別の部分に集中することができる。
「コンピュータ適応光学は、現状では他の計測から推察しなければならないような情報を眼科医に提供できる。医師は、光受容体を直接見ることはできない、また、例えば黄斑変性で死んでいく光受容体を見ることはできない。何が起こっているかを推察するだけである。病気の診断や治療の記録の両面で、リアルタイムアプリケーションでコンピュータ適応光学を使うと、それが可能になる」と、論文の共著者Fredrick Southは説明している。