October, 28, 2025, Lausanne--EPFLの研究チームは、消化管内で飲み込んで誘導できる初の錠剤サイズのバイオプリンタを実証し、損傷した組織の上にバイオインクを直接堆積させて修復をサポートした。
潰瘍や出血などの消化管の軟部組織損傷は、現在、侵襲的であり、永久的な修復には至らない可能性のある何らかの形の手術でのみ治療可能である。バイオプリンティングは、生体適合性のある「インク」(多くの場合、海藻由来の天然ポリマでできている)を組織損傷部位の真上に堆積させ、新しい細胞増殖のためのスカフォールドを作り出す効果的な治療法として浮上している。しかし、従来の手術器具と同様に、この種のバイオプリンタはかさばり、麻酔を必要とする傾向がある。
同時に、外部機器に物理的に接続せずに医療介入を実行するための「アンテザー」(untethered:無接続)技術が開発されている。たとえば、摂取可能な「スマートカプセル」は、外部磁石を使用してドラッグデリバリ部位に誘導できる。しかし、これらの装置は液体の中を移動するように設計されており、組織壁に触れるとその動きは予測不可能になる。
in-situバイオプリンタの原理とスマートカプセルの薬物放出コンセプトを組み合わせることで、錠剤サイズの飲み込み可能なバイオプリンタという新しいクラスのデバイスを思い描くことができる(Vivek Subramanian、先端製造技術研究所所長)。
一方、バイオプリンティングには組織との接触が必要になる。現在、EPFL工学部の先端製造技術研究所のチームは、体内の組織をプリントするために疾患部位に誘導できる最初の摂取可能なバイオプリンタMEDS(Magnetic Endoluminal Deposition System)を作成した。最近Advanced Scienceに掲載されたこの技術は、非侵襲的医療介入の新しいモダリティへの扉を開く。
「in-situバイオプリンタの原理とスマートカプセルの薬物放出コンセプトを組み合わせることで、新しいクラスのデバイス、つまり錠剤サイズの飲み込み可能なバイオプリンタ架間が得られる」とラボ責任者のVivek Subramanianはコメントしている。
低侵襲修復
MEDSは、インクを放出するスプリングチップを備えたボールペンのように設計されているが、ここでは、デバイスがはるかに小さく、「インク」は生きたバイオゲル。錠剤ほどの大きさのMEDSには、バイオインクの小さなチャンバと、材料を押し出すスプリングプランジャ機構が含まれている。電子機器が搭載されていないため、リリースは外部の近赤外線レーザビームによってオンになり、体の組織に安全に浸透する。バイオインクが出現すると、ジョイスティックを誘導するのと同じように、ロボットアームに取り付けられた外部磁石によってカプセルが正確に操縦される。
実験では、EPFLチームはバイオプリンタを使用して、シミュレートされた胃組織上の様々なサイズの人工潰瘍を修復し、さらにはシミュレートされた出血を封印した。米国の認定動物研究施設で行われた生体内実験では、研究チームはデバイスを使用してウサギの胃管にバイオインクを沈着させることにも成功した。これらの実験では、チームはX線透視法を使用してカプセルの動きを追跡し、磁石誘導を使用して経口で取り出せるこの装置が低侵襲修復の可能性を実証した。
研究チームは、胃液から潰瘍を保護するだけでなく、バイオインク自体を薬や細胞と組み合わせて組織修復をさらに促進できることを強調している。
「われわれの制御された実験室実験では、細胞を含んだバイオインクは16日間以上その構造的完全性を保持しており、成長因子を放出し、創傷治癒のために新しい細胞を動員できる『マイクロバイオリアクタ』としての可能性を示唆している」とPh.D学生Sanjay Manoharanは話している。
同氏は、これらの発見は心強いものの、生体内での適用性は将来の研究で検証する必要があると指摘している。「全体として、われわれの結果は、将来のバイオプリンティングアプリケーションにおけるMEDSの基本的な役割を裏付けている。次に、その能力を血管や腹壁(腹膜)の組織にまで拡張する予定である」とコメントしている。