October, 22, 2025, 仙台--東北大学大学院医工学研究科の松浦祐司教授らの研究グループは、中赤外光を用いた光音響分光法(PZT-PAS)を応用し、血液採取を伴わない血液成分推定技術を開発した。
この手法は、糖や脂肪などの血中成分が中赤外光を吸収した際に生じる熱膨張を圧電素子で検出するという研究グループが独自に開発した技術を用いたもので、従来の赤外光を用いた方法では困難だった体表から20~30µm以上の深部成分を検出可能にした。
血液検査では血中コレステロールや血糖値など健康管理のために重要な成分量がわかる。これまで、光を使って採血なしで体表から血液中の成分を検出する方法が数多く提案されてきたが、中赤外光を用いた方法では皮膚の角質層の下にある血液成分を検出することはできなかった。
この手法は、原理的には簡易な装置で実施可能であり、将来的には耳たぶなどに装着可能なウェアラブルデバイスの開発などにより、血糖値をはじめとするさまざまな血液成分を日常的にモニタリングすることが可能となることが期待される。
研究成果は2025年10月9日に学術誌Journal of Biomedical Opticsに掲載された。
(詳細は、https://www.tohoku.ac.jp)