March, 12, 2015, Boca Raton--現在、外科医はガンを除去するとき、200年来の技術「見て触る」で、どの程度除去し、何を残すべきかを決めている。フロリダアトランティック大学で開発されたレーザ技術は、ある箇所がガンであるか、健全な組織であるかの判断の改善に貢献する。さらに、レーザ処置と組み合わせると、これはガンのレーザロボット処置の基礎になる。
ラマン分光は、生体イメージングや組織の診断に研究者が使用している非常に有益なツールである。最近発表された研究成果で、フロリダアトランティック大学のチャールズE. シュミットサイエンス校の研究者は、ラマン分光の適用範囲を広げ、高出力レーザアブレーション後、ガン性の残留組織から正常組織を区別するためにその技術が使えることを示した。これは、ラマン分光がレーザアブレーションに続いてガン組織検出に使用できることを示した初めての例となり、この技術をレーザ外科手術のガイドとして使用するための発端となる。研究者たちは、いずれレーザアブレーションと連携してラマン分光を臨床的に使用し、皮膚ガンや、他の形態のガンも切除したいと考えている。
ガン組織をラマンレーザを使って診断し、ガン組織は正確に局所的にアブレーションレーザを使って除去する。皮膚ガン診断と治療のためのこの種のラマンベースの技術は、まだ完全に開発されていないとは言え、より高価で時間のかかる方法、モース顕微鏡手術などを、いずれ不要にする可能性がある。全てではないにしても、臨床例の一部ではそうなる。
この研究は、ガン組織の高精度、止血除去のためのレーザアブレーションとラマン分光とを連携させた。狙いは、アブレーションした組織領域をそのままの状態で客観的、非侵襲的にプローブして除去すべき残余のガンを見つけることにある。ラマンスペクトルは、部分的にアブレートされた正常な扁平上皮ガンサンプルから収集され、ロジステック回帰分析による主成分分析をベースにしたスペクトル分類モデルが、95%の感度、100%の特異度で残余のガン組織からのスペクトルを特定した。
「提案した外科方法の臨床的実行に成功すると、皮膚ガン処置のスピードと効果が大幅に強化される、特にプロセスのリアルタイム分析が開発されると、それが現実になる」と研究リーダー、Andrew C. Terentisは語っている。
モース顕微鏡手術は、健全な細胞の切除率が最も少なく治癒率が高いために、現在皮膚ガン除去の代表的な技術になっている。しかし、時間がかかり、資源集約的であり、組織病理学による切除組織の術中評価は主観的である。モース手術では医師は、外科医、病理学者、再建外科医の役割を果たし、顕微鏡の精度を頼りに皮膚ガンをその根源まで追跡し、確実に除去する。この手続きは、モース外科で訓練された皮膚科医が目に見える病気の先を見通し、腫瘍全体を正確に特定して切除することになり、健全な組織は損傷を受けることなく残る。
「外科医がガンを切除するとき、皮膚ガンのモース外科でも、最新の手術室で腹部のガンを切除するためのロボットを使った手術であっても、医師は視覚に頼り、触って最初のどの程度の組織を切り取るか決める。Terentis教授のこの新しい成果は、自動レーザによってガンを気化し、気化プロセスを何時止めるかをラマン分光で示すことができるようにするための基になる。肺や、従来の外科ではアクセスが非常に難しい肝臓内部などにわれわれはレーザビームでアクセスできるので、この領域では特に重要である。この研究は皮膚ガンで設計したが、それは非常に正攻法的な研究であり、皮膚ガン患者の数が指数級数的に増加しているからである」と論文の共著者、John Strawswimmer氏はコメントしている。