May, 28, 2025, Washington--カーネギーメロン大学(CMU)の研究者たちは、体内から非侵襲的に画像を取得するのに役立つ可能性のある、非常に薄くて柔軟なイメージャを開発した。この新しい技術は、いつの日か早期かつ正確な疾患検出を可能にし、タイムリーで効果的な治療を導くための重要な見識を提供する可能性がある。
「カメラや光学レンズ、またはかさばる光ファイババンドルで作られた既存の大型内視鏡とは対照的に、われわれのマイクロイメージャは非常にコンパクトである」と、CMUの研究チームリーダーであるMaysam Chamanzarは話している。「一般的なまつげよりもはるかに細いこのデバイスは、組織に大きな損傷を与えることなく、体の深部に到達するのに理想的である。」
Optica Publishing GroupのジャーナルBiomedical Optics Expressで、研究チームは、厚さがわずか7µm(まつ毛の直径の10分の1)、長さ約10mmのマイクロイメージャを使って、マウスの脳内で、脳活動の構造的および機能的イメージングを行えることを証明した。薄膜イメージャの幅は、目的の視野と解像度に応じてカスタマイズ可能である。
「開発が進めば、マイクロイメージャを短期または長期のイメージングのために体内に埋め込んだり、カテーテルに取り付けて胃腸管や血管の内部などの体内部分を画像化したりできるようになる」(Chamanzar)。「また、手術ツールと組み合わせて使用することで、外科医にリアルタイムの視覚的フィードバックを提供し、手術結果を改善し、副作用の可能性を減らすこともできる。」
生体適合性ポリマの活用
小型化された内視鏡は、生体適合性のある透明ポリマパリレンを使用して導波路などの光コンポーネントを作成する柔軟なフォトニックプラットフォームに基づいている。研究チームは当初、組織に標的を絞った光を送達する小型の埋め込み型デバイスを作成するためにパリレンフォトニクスを開発した。
今回の研究では、光の送達と検出の両方を行うことができるパリレン導波路の双方向性を利用して、組織の構造と機能をイメージングするために設計された導波路アレイを作成した。チームは、導波路を備えたマイクロイメージャを設計し、それぞれが両端にマイクロミラーを備えている。1つ以上の導波路が組織を照らす光を照射し、後方散乱光はマイクロミラーによって収集され、他の個々の導波路に結合されてバックエンドに伝送される。そこで、光はイメージセンサアレイに投影される。この設計により、各導波路は組織画像のピクセルを効果的に中継する。
「われわれは、マイクロエレクトロニクスや微小電気機械システム(MEMS)で使用されているものと同様のマイクロスケールの製造技術を使用して、小型化された内視鏡を製作した。これにより、導波路とマイクロミラーを簡単にカスタマイズして、様々な組織を目的の解像度でイメージングできる」と、これらの内視鏡イメージャを設計し、実証した博士課程の学生であるM. Hassan Malekoshoaraieは話している。
脳内部のイメージング
小型化された内視鏡を実証するために、研究チームはまず、散乱媒体内に埋め込まれた蛍光マイクロスフィアを画像化し、マイクロスフィアの3D局在確認が可能になることを示した。次に、マイクロイメージャを使用して、緑色蛍光タンパク質を発現するマウス脳組織の蛍光画像を撮影した。最後に、チームは、遺伝的にコードされたカルシウム指標を発現するマウス脳組織からの機能的神経イメージングを実証し、マイクロイメージャが神経機能を捕捉できることを実証した。
「われわれは、実際の電気生理学記録と比較して、内視鏡を使用して得られた機能光学画像を検証した」と、研究チームの神経科学者であるVishal Jainは話している。「画像データと電気生理学との間にこれほど強い相関関係があることが観察されたことは、励みになった」
研究チームによると、この研究は、活動中の神経組織をイメージングするという包括的な目標に向けた一歩である。「最終的には、神経活動を集団活動に関与する特定の細胞タイプの転写プロファイルと関連付けることができるようにしたいと考えている」とChamanzarは話している。
次に、研究チームは、光源、イメージセンサアレイ、フィルタをデバイスのバックエンドに統合して、in vivoアプリケーション用の完全に統合されたスタンドアロンマイクロイメージャを実装したいと考えている。これにより、マイクロイメージャを組織に外科的に埋め込むことができ、腫瘍除去後の残存ガン細胞のイメージングや治療後の疾患進行のモニタリングなどの用途に使用できる。