February, 27, 2025, 豊橋--豊橋技術科学大学電気・電子情報工学系の関口寛人准教授、電気・電子情報工学専攻の博士前期課程 篠原豪太と東北大学大学院薬学研究科の佐々木拓哉教授、鹿山将特任研究員らは、生体組織深部において高精度に神経活動を制御し、多点で神経活動を同時記録することを可能とするMicroLEDと神経電極を一体化したハイブリッドプローブを開発した。
近年では、光遺伝学的手法を利用して、生体の外部から光のみを当てることで、神経細胞の活動を制御することが可能になっている。しかし、従来の光ファイバを用いた手法では、単一の神経集団の制御に限られ、複数の領域を同時に精密に操作することが困難だった。また、光刺激のみでは神経ネットワークの情報処理や伝播の複雑なメカニズムを完全には解明できないため、誘発された神経活動を高解像度で計測する技術が求められていた。
今回、本研究グループは、独自の接合技術を用いて、光刺激と神経活動記録を同時に行えるよう多点MicroLEDと神経電極をハイブリッド統合する神経科学プローブを開発した。この新しいハイブリッドプローブを使用して、マウス脳内で光刺激が特定の神経活動を誘導する様子を高い空間・時間分解能で記録することに成功した。
研究成果は、神経ネットワークの理解を飛躍的に進展させる可能性を秘めており、神経疾患の新たな治療法開発や、神経科学研究の革新につながることが期待されている。
研究成果は、2025年2月6日(木)に「Applied Physics Express」にオンライン掲載された。
(詳細は、https://www.tohoku.ac.jp)