December, 9, 2014, St. Louis-- ワシントン大学セントルイス(Washington University in St. Louis)の生体医学工学、Lihong Wangの研究チームは、世界最速のレシーブ・オンリー2Dカメラを開発した。このカメラは1秒に最大1000億フレームのイベントを撮ることができる。
この高速性は、現在の受信専用超高速イメージング技術と比べて、それを何桁も上回る。超高速イメージング技術はオンチップストレージと電子読み出し速度に制限されて、1秒に約1000万フレーム程度でしか動作できないからだ。
研究チームは、実質的にコンポーネントを追加し、既存技術であるストリークカメラを補完するアルゴリズムを使用した。
ストリークカメラは高速であるが、1次元の視界しか得られない。つまり「直観的」ではなく、距離のある垂直のスリットから競馬を見るのと類比的だ。「われわれは、この視界を2次元空間に拡大した、現実の世界でわれわれが見るものにより近くなる」とWang氏は説明している。
工学&応用科学部で開発した圧縮超高速写真(CUP)技術は、特殊なカメラレンズで対象を撮る。対象物からのフォトンは、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)という微小な管構造を通ってくる。10セントコインよりも小さな領域に約100万個のマイクロミラーが搭載されており、1つ1つのサイズは7×7µmである。
マイクロミラーは画像を圧縮するために使用される。次にフォトンをビームスプリッタに反射する。さらに、ビームスプリッタは広げられたストリークカメラのスリットにフォトンを送る。フォトンは電子に変換され、2つの電極で収集されて、時間が空間に変換される。電極が上下動する電圧を印可するので、電子の到達時間に差ができ、到達するときの垂直位置が違うことになる。CCDが、この全ての生データを保存する。この全てが5ナノ秒(ns)で行われる。
Wang氏は、「われわれはCUPを使って蛍光タンパク質を含め、様々な蛍光色素分子のライフタイムを光の速度で画像化することができる」と言う。
天文学領域では、CUPイメージングとHubble望遠鏡とを組み合わせることで、Hubbleの空間分解能を最高度に鮮明にし、最高時間ソリューションを達成できる。「この組合せで新しい科学的発見が必ず得られる」と同氏は語っている。