January, 12, 2024, Zurich--100年も続いてきた診断プロセスをデジタル時代に持ち込むにはどうすればいいのか? ETH-Zurichとチューリッヒ大学(University of Zurich)の2人の研究者は、組織サンプル全体を迅速に定量化することで、ガン細胞のより正確な診断を可能にするロボットプラットフォームを開発している。
すべては、Francesca Cattoの博士論文の冒頭にある「組織サンプルに色を付け、3D画像としてデジタル表示できたらいいのではないか」という当たり障りのない問いから始まった。組織の変化を扱う病理学の一分野である組織学は、100年以上にわたり、組織サンプルをマイクロメートルの薄さに切断し、顕微鏡下で病理学的変異を調べるアナログ法を使用してきた。この技術では、6人に1人が誤診され、ガン細胞が検出されない。
チューリッヒ大学でAdriano Aguzzi教授の指導の下、神経科学の論文を執筆したCattoは、初期の頃は困難だったと記している。「われわれは,様々なアプローチを試したが、何もうまく行かなかった。悪夢のようだった。幸いなことに、われわれはMirko Meboldt教授とAlexander Mathys教授のグループと共同研究を行い、成功したアプローチが得られた。それが、ETH-Zurichで処理技術の博士号を取得したRobert Axelrodがプロジェクトに参加した理由である」。
画期的な学際的ソリューションによるイノベーション
2人の研究者は、生物医学と機械工学の技術を組み合わせたアプローチを用いて、ガンをより正確に診断し、細胞の空間配置に関する3次元情報を提供するロボットプラットフォームを開発した。このプロセスは 4 つのステップで構成されている。まず、研究者は組織サンプルを自動化された方法で透明にする。次に、目立つ細胞にすばやくマークを付け、色づけする。3番目のステップは、ガン細胞がマッピングされている3D組織の画像を作成すること。そのための技術はすでに存在している。最後のステップは、3Dイメージングソフトウェアとトレーニングアルゴリズムによる分析である。
この革新的なソリューションにより、時間のかかる組織サンプルの調製と切断は不要になる。代わりに、組織(たとえばリンパ節)全体が保存され、全体が検査される。マークされたセルを使用したデジタル3Dビジュアライゼーションは、いつでもオンラインでアクセス可能になっている。
(詳細は、https://ethz.ch)