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UM、子宮頸癌研究をサポートする3Dプリントフィルムを開発

October, 13, 2023, Oxford--ミシシッピー大学(UM)の研究チームは、子宮頸ガン患者の薬物送達オプションを改善できる膣の3Dプリントフィルムを開発している。

米国疾病管理予防センタによると、米国では毎年約11,500例の子宮頸ガンが診断され、約4,000人の女性がこの病気で死亡している。ミシシッピ州は、年齢調整子宮頸ガン死亡率が国内で2番目に高く、年間10万人の女性と少女あたり3.4人が死亡している。

ほとんどの薬は経口であるが、この経路には副作用、吸収の問題があり、患者にはあまり受け入れられていない。

UMの研究者は、薬剤ジスルフィラムを膣内に投与することの複雑さと利点を調べた。調査結果は、International Journal of Pharmaceutics誌に発表された。アルコール依存症を治療するために米国食品医薬品局(FDA)によって承認されたジスルフィラムは、癌の治療に有望であることが示されている。

「経膣薬剤送達(デリバリ)は、ターゲットを絞った局所的なデリバリとなる。膣フィルムの粘着特性は、フィルムの保持と薬物放出を延長するのに役立ちます。これは追加の利点である」と、薬剤学&薬剤デリバリ助教授、Eman Ashourは説明している。

Ahmed Almotairyは、Ole Miss在学中に博士論文のためにそのアイデアを開発した。 同氏は、サウジアラビアのTaibah Universityの薬剤学&製薬技術助教授。

主任研究者Almotairyは、「私はこの特定の薬に関する発表された研究に啓発された。患者の治療に関しては、ジスルフィラムは多くの種類のガンに対して有望な結果を示した」とコメントしている。

研究チームは、ホットメルト押出と3Dプリンティングを組み合わせて、患者固有の投与量を設計した。ホットメルト押出(HME)では、材料を溶かし、冷却しながら再成形する。研究チームはHMEを使用して薬物装填フィラメント、つまり糸状材料を作製し、それを使用して目的の投与量を3Dプリントした。

「われわれの最終的研究は、患者の生活の質(QoL)改善することである」(Almotairy)。

ジスルフィラムは熱に敏感であり、当初は膣デリバリに問題を引き起こした。チームは、薬剤の設計とHMEの処理温度を最適化することで、この問題を克服した。

このフィルムは、子宮頸部が膣から簡単にアクセスできるため、Ashourによると、標的部位への薬剤の直接デリバリが可能になる。この技術にはさまざまな意味がある。抗真菌薬、抗菌薬、抗ガン薬、ホルモン薬も経膣デリバリの有望な薬剤候補である。

「このユーザに触発された研究結果は、患者の転帰と代替治療の改善に貢献する。このプロジェクトの成功をベースにして新技術を構築し、将来的には他の病状と用途を探求したい」と同氏は話している。