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前立腺ガンを迅速かつ安全に診断

November, 14, 2014, Dresden--前立腺ガンの良性と悪性の区別は難しい。フランウンホーファーの研究チームが開発した新しい機器を用いた視覚分析によって医師は悪性種かどうかを高信頼に判断できる。
 現在、前立腺の悪性腫かどうかを判断するために医師は患者の前立腺組織の生検を行う。採ったサンプルを実験室で検査するには、少なくとも1日はかかる。その組織を今度は病理学者に送り、顕微鏡で検査する。経験を積んだ医者でも、その組織が悪性か良性かを判断するのが難しいことがある。
 将来的には、セラミック技術&システムIKTSフランウンホーファー研究所で開発した光学診断機器で、この検査はより簡単に、素早く、正確になる。プロトタイプは現在使用可能になっている。「医師は、取得した組織サンプルをベースプレートに置き、それを装置にスライド挿入してボタンを押す。すると1分半で、サンプルの組織が良性か悪性かの確かな表示が得られる」とIKTSの研究者、Dr. Jörg Opitzは説明している。サンプルは、長い準備時間は不要であり、直接装置に入れて分析し、取り出すので、患者は結果を知るために何日も待つ必要はない。医師は直ちに結果を知り、次の処置について患者と話すことができる。
 もう1つの利点は、検査の信頼性。「分析は、人の組織から発する自己蛍光に基づいている」(Opitz氏)。全ての人の身体には蛍光体が存在する。これらの分子は、一定の光を照射すると短時間発光する。医師が採取した組織を装置に入れて、計測を始め、レーザパルスを放射して蛍光体を励起すると、レーザパルスが組織の中の蛍光分子を刺激して発光する。この蛍光放射の減衰の仕方は良性組織と悪性腫瘍とでは違っている。この違いに対して、研究者は明確な閾値を定めることができた。組織サンプルの値が閾値を超えると、悪性腫が存在する。したがって、医師ははっきりとした、曖昧さのない予後を示すことができる。分析は自動的に進む。
 現在、この装置は前立腺ガンにしか使えない。個々の組織タイプは固定値を持っているが、それは異なっている。研究チームの目標は、他の組織タイプの閾値を定め、それを装置の分析ソフトウエアに組み込むこと。すると、医師はその装置で異なるサンプルを調べることができる。
 この光学診断機器は、すでに最初の臨床研究を2件終えており、現在3度目が進行中である。