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眼のスキャンで診断7年先行してパーキンソン病兆候検出

August, 30, 2023, London--UCLとMoorfields Eye Hospitalの研究チームは、臨床所見の平均7年前に患者のパーキンソン病の存在を示唆するマーカーを特定した。

これは、これらの成果を診断に数年先行して示すのは最初である。これらの結果は、パーキンソン病の網膜イメージングでこれまでの最大規模の研究で可能になった。

Neurologyに発表された研究は、人工知能の助けを借りて眼のスキャンにパーキンソンのマーカーを特定した。AIzEyeデータセットの分析は、より広範なUK Biobankデータベース(健康なボランティア)を利用して繰り返され、その発見をそれが再現した。これら2つの大きな、強力なデータセット利用によりチームは、例えパーキンソン病の有病率が比較的低い(0.1-0.2% of the population)場合でも、これら微妙なマーカーを特定できた。AIzEyeデータセット生成は、世界最大の網膜画像関連臨床データのデータベースINSIGHTにより可能となった。

眼のスキャンからのデータの利用は、以前には、他の神経変性疾患の徴候を明らかにしていた、アルツハイマー病、多発性硬化症、最近では、分裂病、新興の素晴らしい“oculomics”という研究分野である。

眼のスキャンや眼のデータは、高血圧、脳卒中を含む心疾患、糖尿病の傾向も明らかにすることができた。

研究の技術的、背景情報
パーキンソン病は、進行性の神経学的疾患であり、ドーパミン減少によって特徴付けられる。また、パーキンソン病患者の死体解剖により網膜の内核層(INL)に差が見つかった。OCTスキャンを使う以前の研究は、その病気に関連する潜在的な形態学的異常を見出していたが、矛盾があった。

この研究は、非常に薄いGCIPL(神経節内網状層)の以前の報告を確認した、一方でより薄いINLを初めて確認した。さらに、この層の厚さ減少は、他の徴候、併存疾患によるもの以上に、パーキンソン病のリスク増に関係していた。

GCIPL萎縮進行が、パーキンソン病における脳の変化によるものか、INLが薄くなるのが、GCIPL萎縮に先行するどうかを決めるにはさらなる研究が必要である。これを探求することは、網膜イメージングが、パーキンソン病患者の診断、予測、複雑な管理をサポートできるかどうかの説明に役立つ。

(詳細は、https://www.ucl.ac.uk)