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蛍光ナノチューブで細菌やウイルスを検出

August, 3, 2023, Zurich--新しいセンサ設計は、様々な目的に合わせてセンサを素早く組み立てるために使える分子ツールボックスを真似ている。

学際的研究チームが、ウイルスや細菌を検出できる分子光センサ構築のために新たなアプローチを開発した。この目的のために研究チームは、分子ハンドルとして機能する新しいタイプのDNAアンカーで蛍光カーボンナノチューブを利用した。アンカー構造は、抗体アプタマなどの生物学的認識ユニットをナノチューブに接合するために使える。認識ユニットは、後で、ナノチューブに接合した細菌分子、ウイルス分子と相互作用できる。これらの相互作用は、ナノチューブの蛍光に影響を及ぼし、その輝度を増減させる。

研究チームの構成は、Sebastian Kruss, Justus MetternichおよびRuhr University Bochum (ドイツ), Fraunhofer Institute for Microelectronic Circuitsと Systems and the ETH Zurichの研究者。研究成果は、American Chemical Society誌に掲載された。

カーボンナノチューブバイオセンサの簡単なカスタム化
チームは、カーボン製、直径1nm以下の管状ナノセンサを使った。可視光で照射されるとカーボンナノチューブは近赤外域の光を発する。NIR光は人の眼には見えないが、光学アプリケーションには申し分ない。その範囲の他の信号レベルが、大幅に下がるからである。初期の研究で、Sebastian Krussのチームは、重要な生体分子を検出するために、ナノチューブの蛍光をどのように操作できるかをすでに示していた。今回、研究チームは、様々な標的分子用途にカーボンセンサを簡単にカスタマイズする方法を探した。

成功のカギは、いわるグアニン量子欠陥を持つDNA構造だった。これは、ナノチューブの結晶構造に欠陥を作るためにDNA塩基とナノチューブを接続する必要がある。結果、ナノチューブの蛍光は、量子レベルで変化した。加えて、その欠陥は、分子ハンドルとして働いた。これにより検出ユニットが導入され、それは特異的ウイルス、あるいは細菌タンパク質を同定するためにそれぞれの標的分子に適用できるのである。「DNAアンカーへの検出ユニット取付により、そのセンサのアセンブリは、ビルディングブロックシステムに似ている、ただし、個々の部分は、人の髪の毛よりも10万倍小さい点を除けばである」(Sebastian Kruss)。

様々なバクテリアおよびウイルスターゲットを特定
グループは、SARS CoV-2スパイクタンパク質を例として利用し、その新しいセンサコンセプトを紹介した。この目的のために研究者は、SARS CoV-2スパイクタンパク質に結びつくアプタマを使った。「アプタマは、DNAまたはRNAストランドに折り畳まれる。この構造により、それらは選択的にタンパク質に結合される。次のステップでは、そのコンセプトを抗体あるいは他の検出ユニットに移転できる」とJustus Metternichは、説明している。

蛍光センサは、SARS CoV-2スパイクタンパク質の存在を高い信頼度で示していた。グアニン量子欠陥を持つセンサの選択性は、そのような欠陥のないセンサの選択性よりも高かった。さらに、グアニン量子欠陥を持つセンサは、溶液内では、もっと安定している。「簡単な溶液を超えて計測する場合、この点は利点である。診断アプリケーションでは、複雑な環境、例えば細胞、血液中、あるいは生命体自体で計測しなければならない」とSebastian Krussは、話している。