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グリオーマの進行を遅らせる新薬

June, 23, 2023, Los Angels--研究は、脳腫瘍治療のために特別に開発されたターゲット治療薬剤の初の臨床試験分析である。

UCLA共同主導国際研究で研究者は、新しい標的治療薬が、ガンを悪化させることなく、治療を受けているグリオーマサブタイプの人々の時間を延ばすことを示した。その成果は、進行は遅いが致死性の脳腫瘍の人々にとって新たな治療オプションの可能性を示唆している。

チームは、薬剤vorasidenibが、再発グレード2グリオーマ、IDH1 と IDH2変異株の人々で無増悪生存率を二倍以上にすることを確認した。プラシーボを受けた人々と比べて、vorasidenibを受けた人々は、ガンの悪化なしで約17ヶ月以上に及び、患者が化学療法と放射線治療を始める必要があるまでの時間を遅らせた。

研究成果は、New England Journal of Medicineに掲載され、年次会合American Society Clinical Oncologyでも発表された。

論文で研究されたグリオーマタイプ、再発グレード2グリオーマIDH1 と IDH2変異株は、若年の人々、30代の人々に影響を与える傾向がある。現在の標準的治療、放射線と化学療法の組合せは、神経学的欠陥を起こす。患者は新規事項の学習、記憶が難しくなり、集中、日常的な決定ができなくなる。その全ては、家族が若い人々、専門活動の初期にある人々には特に厳しい。

Dr. Timothy Cloughesy、UCLAのDavid Geffen 薬学部(School of Medicine)、神経腫瘍学教授、論文の共同シニアオーサは、患者が化学療法と放射線治療の間をもっと長い期間とする処置が利用可能になると、説明している。これは、大きな影響を及ぼす。

「われわれは常に放射線の遅発性影響に気を遣っている、効果的な治療で脳への放射線治療を先送りにできることは、実に重要であり、この患者集団には、大きな意味がある」(Cloughesy)。

vorasidenibは、変異体IDH1/2のデュアル阻害剤と分類されている。それは、腫瘍代謝物2-Hydroxyglutarate, すなわち 2-HGの形成と蓄積を阻止する。2-HGは、2つの酵素 IDH1とIDH2、遺伝子組換えバージョンが、腫瘍に存在する時に生ずる。2-HGは、IDH-変異体グリオーマの形成と維持に関与していると考えられている。

研究は、脳腫瘍治療のために特に開発されたターゲット薬剤を分析する初の臨床試験でもある。

ターゲット治療は、ガン細胞の成長と広がりに関与する特定の分子を標的にするように設計されている。ガン性および健康な細胞の両方に影響を及ぼしうる化学療法や他の治療と違い、ターゲット治療は変異したターゲットをもつガン細胞だけを攻撃し、正常な細胞の損傷を最小化する。

多くのタイプのガン治療でターゲット治療利用の大きな進歩はあるが、脳腫瘍のためのターゲット治療の開発は、特に課題が多い。血液脳関門を超えることが難しいからである。vorasidenibは、脳に浸透する阻害剤であり、血液脳関門を超えることができる。

研究は、IDH1とIDH2変異体再発と診断され、脳腫瘍手術を受けていた12歳以上の331名に関与するものであった。そのグループから168名がランダムにvorasidenibを受けるように割り当てられ、163名がプラシーボを受けるように割り当てられた。

vorasidenibを受けた者の中では、その病気は、平均27.7ヶ月進行しなかった。プラシーボを受けた者の11.1ヶ月と比べて著しく長かった。vorasidenibを受けた者の中では、85.6%が、次の治療までが18ヶ月に及んだ、一方83.4%は治療間隔は24ヶ月だった。

その病気は、vorasidenibを受けた人々のわずか28%で進行した、プラシーボを受けた人々では54%だった。2022年9月現在、研究が始まってから30ヶ月、vorasidenibグループの患者の72%は、まだその薬剤を利用しており、病気は進行していない。

元々プラシーボグループの患者、研究期間に、そのガンの進行が始まった患者に、医者は、vorasidenibへの切替えを許可した。研究チームが観察したvorasidenibからの副作用は限定的であった。「これは、この集団で明白な有効性を示す初のターゲット治療である。また、この病気の前例を設定する初のターゲット治療である」とCloughesyは、話している。
(詳細は、https://www.uclahealth.org)