June, 19, 2023, Minneapolis--米国神経学会(American Academy of Neurology)Neurology誌に発表された研究によると、思考力や記憶に問題がない人々では、簡単なテストが、後年認知機能障害進行のリスクを予測できるかもしれない。
.
「思考力や記憶に問題がない人々の中には、実際には、極めてわずかな早期認知障害の兆候があるかも知れない」とニューヨークのアルバート・アインシュタイン医科大学Ellen Grober, Ph.Dは言う。「われわれの研究では、高感度、簡素な記憶テストが、それ以外では、正常な認知能力を持っていると考えられる人々に認知障害発症のリスクを予測した」。
研究のスタート時には、思考力や記憶に問題がない平均年齢69歳の969名の人々が参加した。人々は、簡単な記憶テストを行い、最大10年まで追跡した。
テストは、2つのフェーズを含む。研究フェーズでは、人々は、それぞれに4項目の絵がある4枚のカードを見せられ、特定のカテゴリーに属する項目を判定するように求められる。例えば、参加者は、“果物.”を特定するように求められた後、アイテムを“ブドウ”と名付ける。これは、参加者の情報取り出し能力を計測している。次に、思い出せなかったアイテムについては、参加者はカテゴリーのキュー(手がかり)が与えられる。このフェーズは、記憶の蓄積を計測する。
参加者は、テストスコアに基づいて、5グルプ、0から4までのステージに分けられた。これは、Stages of Objective Memory Impairment (SOMI)システムの一部。ステージゼロは、記憶障害は全く存在しない。ステージ1と2は、認知症に5~8年先行する記憶を引き出す困難がますます強くなることを反映している。これらの参加者は、キューが与えられると継続してアイテムを思い出すことができる。第3と4ステージでは、人々は、キューを与えられても、アイテムを全く思い出すことはできない。これらのステージは、1~3年、認知症に先行している。
トータルで参加者の47%がステージゼロ、ステージ1が35%、ステージ2が13%、ステージ3+4の合計が5%。
参加者、234名の人々が認知障害を発症した。
年齢、性、教育、ヒトのアルツハイマー病リスクに影響する遺伝子、APOE4調整後、研究チームは、SOMIステージゼロの人々、ステージ1と2の人々は認知症が発症が2倍になる見込であることを発見した。3およびステージ4の人々は、認知症が発症が3倍になり得る。
脳アミロイドプラークやタオもつれを含むアルツハイマー病のバイオマーカー調整後、SOMIシステムは、増加する認知機能障害のリスクを継続して予測した。
研究チームは、第3および第4ステージの人々の72%が、10年後、認知障害を発症したと推定している。第2ステージでは、約57%、第1ステージでは35%、ステージゼロの人々の21%だった。
研究の限界は、ほとんどの参加者が白人で教養のある人々だった。Groberによると、もっと大規模、多様な人々どのテストが必要である。
(詳細は、https://www.aan.com/)