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微小医療ロボットが膀胱疾患を治療する日が来る

June, 16, 2023, Boulder--CU Boulderの研究チームは、新しいタイプの微小、自己推進ロボットを設計した。これは、信じられないようなスピードで液体中を進み、いずれ人体内部の到達しにくい場所に処方薬を投入することさえできるようになる。
研究成果は、Small誌に掲載された。

「マイクロロボットが体内である作業をおこなえるかどうかを考えてみる、非侵襲的手術などだ。患者に切り込むのではなく、ピルや注射で、そのロボットを身体に導入できる、するとロボットは、自分たちで処置を行う」と論文の筆頭著者、Jin Leeは、言う。同氏は、化学&生体光学部のポスドク研究者。

研究チームは、まだそこには至っていないが、新しい研究は、微小ロボットへの大きな一歩である。

同グループのマイクロロボットは、実際に小さい。各幅がわずか20µmで、ヒトの髪の毛の幅よりも数倍小さい。ロボットは、実際高速であり、3㎜/sec程度で移動できるので、1分当たり自分の長さのおよそ9000倍である。相対的な意味ではチーターよりも何倍も高速である。

潜在能力は多い。新しい研究では、研究グループは、デキサメタゾン、ステロイド系の薬をラボマウスの膀胱へトランスポートするためにこれらのマシーン艦隊を配置した。結果、マイクロロボットは、人々の膀胱疾患や多の疾患の処置に有用なツールである可能性を示唆している。

「マイクロスケールのロボットは、科学界を大いに刺激したが、興味深く思っていることは、体内で役立つ作業ができるようにわれわれが設計できることである」とC. Wyatt Shieldsは、コメントしている。同氏は研究の共同著者、化学&生体光学部の准教授。

ミクロの決死圏
SFから採ったようにきこえるなら、その通りである。昔の映画、Fantastic Voyageでは、冒険家が縮小した潜水艦で昏睡状態の人の身体に入り込む。

「映画は、1966年にリリースされた。今日、われわれは、マイクロメートル、ナノメートルスケールのロボットの時代に生きている」(Lee)。
映画と同じようにマイロロボットは、回転しながらヒトの血流を進み、様々な病気を治療するターゲット領域を探す。

チームは、3Dプリンティングと類似の技術を利用してマイクロロボットを生体適合ポリマから作製する。マシーンは、小さなロケットのように見え、3つの小さなヒレを備えている。また、ちょっとした追加のものがある。各ロボットは、空気をトラップした小さな泡をもっている。クラスを水中に逆向きに沈めると起こるものに似ている。そのマシーンを音響場、超音波で使うようなものに当てると、この泡が激しく振動し始め、水を押しのけ、ロボットを前進させる。

そのマイクロロボットをテストドライブするために研究チームは、人類共通の問題、膀胱疾患に照準を合わせた。

症状緩和
間質性膀胱炎、疼痛膀胱症候群としても知られているが、数100万のアメリカ人に影響を与えている。その名が示すように、激しい骨盤の痛みの原因となりうる。その病気の治療は、同じように不快である。患者は、数週間の周期でクリニックに通わなければならない。医者は、不快なデキサメタゾン溶液をカテーテルで膀胱に注入する。

マイクロロボットは、いくらか軽減することができると、Leeは考えている。

ラボ実験では、チームは、高濃度のデキサメタゾンをエンカプセルしたマイクロロボット群を造った。次に、その数千のボットをラボマウスの膀胱に導入した。結果は、現実のFantastic Voyageであった。マイクロロボットは、膀胱壁にくっつく前に、その臓器全体に散らばった。これにより尿排出が難しくなりそうである。

再び、マシーンは、ほぼ2日にわたってデキサメタゾンをゆっくりと放出した。そのような薬の安定した流れにより、患者は長期にわたり多くの薬剤を受けることができ、患者の予後改善となる。

マイクロロボットが、実際の人の身体を動くことができるまでに成すべき事は多い。まず、グループは、そのマシーンを完全生分解性にすることを考えている。最終的に体内で溶けるようにするためである。

「これらの粒子が膀胱で機能できるなら、次は、より持続的な薬剤放出を達成できる。患者は、頻繁にクリニックに来る必要がなくなる」(Lee)。