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薬物送達のジレンマを解決:光で壊れるリポソームの開発と応用

June, 15, 2023, 岡山--岡山大学学術研究院医歯薬学域(薬)の須藤雄気教授と同大学院医歯薬学総合研究科・博士前期課程(薬)の恒石泰地氏(令和4年卒)は、北海道大学大学院薬学研究院の山田勇磨教授らと共同で、光受容タンパク質であるロドプシンを利用して、緑色の光で壊れるリポソームを開発し、薬物送達に応用できることを示した。
これらの研究成果は5月23日、英国の総合化学雑誌「Chemical Communications」に掲載された。
体内への薬物送達では、狙った「時間・場所」に適切な「量」を効果部位に届けるため、ナノカプセル(リポソーム、ポリマーなど)が用いられている。ここで、ナノカプセルは効果部位以外では壊れず、効果部位ではその中身を放出するために壊れる必要性があり、「壊れずに壊れる」という「ジレンマ」を抱えている。今回開発した光誘起崩壊リポソーム(LiDLと命名)は、光がなければ壊れず&光があたると壊れるものであり、光でこのジレンマを解決しうるものである。

論文
Development of light-induced disruptive liposomes (LiDL) as a photoswichable carrier for intracellular substance delivery
邦題名「光応答性細胞内物質送達体としての光誘起崩壊リポソーム(LiDL)の開発」