チャルマーズの新発見、転移ガンとの闘いに臨み

November, 21, 2022, Gothernburg--チャルマーズの研究チームによると、転移性腫瘍は、それが成長する組織にその代謝を適応させる。
　体中の新たな臓器で分裂し、発展するガンと闘うのは著しく難しくなる。今回、チャルマーズの研究者は、源発から広がるこれらの転移性ガンが、その代謝をそれが成長する組織に適応させることを示した。今回の発見は、転移性ガン理解のブレイクスルーであり、より効果的な治療の探求で重要なナゾの1つである。

人の身体の代謝は、その内燃機関に例えられる。それは、われわれの細胞が成長し、エネルギーを受けるとるための必須条件である。ここでは、焦点は、ガン細胞の進歩を食い止めることである。

PNAS誌に最近発表した新しい研究では、チャルマーズのシステムと合成生物学研究者は、転移、つまり二次性腫瘍により新たな臓器に広がるガン細胞で代謝がどう働くのかを調べた。その研究でチームは､転移が新しい環境にどう適応するかについて新たな洞察を示した。

「明らかなことだが、局所的環境は、以前知られていたよりもガン細胞への影響が大きい。転移性腫瘍は、身体のどの位置であろうと同じ代謝特性を示さなければならないが、ガン細胞は、継続して発展、成長するために、その代謝を新しい組織に概ね適応させていることを発見した。これは重要な知見である。われわれは、転移を源発腫瘍として考えざるを得ない」と、研究の筆頭著者、チャルマーズのFariba Roshanzamirは説明している。

ガンの代謝を阻止するツール
Fariba Roshanzamirは､チャルマーズのJens Nielsen教授のグループで研究している。スエーテンおよび国際研究者とともに、画期的な成果を確立することができた。研究は、いわゆるトリプルネガティブ乳ガン、薬剤で治療することが難しい重度の乳ガン、しかし結論は、研究者によると､全てのタイプの転移ガンに適用可能である。これは、より効果的な治療の開発に新たな扉を開く。

「腫瘍の代謝をシットダウンすることができれば、その機能は止まり、この研究は､何を標的にすべきかの理解向上への重要なカギとなる。源発腫瘍として治療するよりも、腫瘍が広がる臓器における転移を特に標的にする代謝阻害剤の選択は、将来の治療にとって優れた戦略を見つけられるには極めて重要である」と同氏はコメントしている。

転移の特性について新たな見解
現在、新たな臓器へのガンの広がりは、ガン患者の死の主因の1つである。システムと合成生物学教授、研究の著者の一人であるJens Nielsenは、それが転移の特性と挙動についての新たな見方につながると期待している。

「これは転移ガン理解に関するブレイクスルーであり、より個人化された薬剤への途上で重要な一歩である」と同氏はコメントしている。
（詳細は、https://www.chalmers.se）