November, 11, 2022, Pasadena--指先からの感覚が脳に記録されるまでに時間がかかるが、それは超高速現象である。神経を移動する触覚信号は、100マイル/時間である。神経信号の中には、さらに高速のものがあり、300マイル/時間のスピードに近づく。
Caltechの研究者は、神経細胞を移動するこれらのインパルスの映像を記録できる新しい超高速カメラを開発した。そのカメラは、エレクトロニクスにおける電磁パルスの伝播のような、その超高速現象のビデオも撮る。
そのカメラ技術は、作動的強化圧縮超高速写真(Diff-CUP)は、Lihong Wangラボで開発された。
Diff-CUPの動作は、Wangの他のCUP(compressed ultrafast photography)システムと類似である。これらは、70兆fpsでビデオを記録し、光の速度で進むレーザパルスの画像をキャプチャできる。
Diff-CUPは、他のCUPシステムに見られる同じ高速カメラ技術であり、それにMZIデバイスを統合している。その干渉計は、最初にレーザ光ビームを2つに分離し、分離されたビームの一方のみを対象に通し、続いてビームを統合することで対象や物質を撮像する。光波は、様々な仕方でそれに影響を及ぼす多様な材料により、それが透過する対象によって影響を受けるので、イメージングされる材料を透過するビームは、他のビームの波と同期していない。ビームが再結合されると、非同期の波は、相互に干渉し(だから”干渉計”)イメージングされている対象について情報を開示する。
神経細胞を伝播する電気パルスを自分の目で、あるいは従来の光学顕微鏡でさえ、見ることはできないが、このタイプの干渉計は、それを検出できる。(ところで、この同じ基本技術が重力波検出のためにLIGOで使われている)。よって、MZIは、これらのにパルスのイメージングを可能にする。またCUPカメラは、信じられないような高フレームレートで画像を捉える。
「神経信号を見ることは、われわれの科学的理解の基本であるが、既存のイメージング法ではスピードと感度が欠如しているために、まだ達成されていなかった」(Wang)。
Wangの研究チームは、電磁パルス(EMP)伝播の写真も捉えた。これは、物質によっては、ほぼ光の速度で伝播する。この場合、チームはEMPをLN結晶に通した。LNは、固有の光学的、電気的特性を持つ塩である。EMPがこの材料を透過する時に、超高速にも関わらず、カメラはそれを明確にイメージングすることができた。
「末梢神経の伝播信号のイメージングは、最初のステップである。中枢神経系でライブトラフィックのイメージングは、重要である。これは、脳がどのように活動しているかを明らかにする」とWangは話している。
論文は、Natrue Communicationsに発表された。
(詳細は、https://www.caltech.edu/)