August, 28, 2014, Berkeley--UCバークリーの研究チームは、個人の視覚障害を補償するコンピュータアルゴリズムを開発している。これにより、メガネ無しで文字や画像をはっきりと見ることができる視力矯正ディスプレイが実現可能になる。
この技術は、スマートフォンやタブレットを使う際にメガネを必要とする何億人もの人々の役に立つ可能性がある。例えば老眼は、老化した目のレンズが柔軟性を失うにともない、徐々に近くのものに焦点を絞ることができなくなるために遠視になることである。
また、高次収差として知られる、より複雑な視力障害はメガネで矯正することはできない。高次収差の人は、角膜の形状が凸凹であるために、適切なコンタクトレンズをかけることが非常に難しい。この研究は、そのような人々の人生を変えるものである。
研究チームは、MITのチームと協力して視力矯正ディスプレイの最新プロトタイプ開発に取り組んでいる。セットアップは、透明プラスチックの2層に挟まれたプリントピンホールスクリーンをiPodディスプレイに取り付けて画像の鮮明さが増すようにしている。
UCバークリーで開発されたアルゴリズムは、ユーザ固有の視覚障害に基づいた画像において単一ピクセルから出る光の方向毎に強度を調整することで機能する。デコンボルーション(逆重畳積分)プロセスで、ユーザが鮮明な画像を感じるような方法で光はピンホールアレイを通過する。
「われわれの技術は、対象となるユーザがスクリーンを見たときに、その特定のユーザに対して画像が鮮明に見えるように画像を変形させる。しかし別の人がその画像を見ると、歪んで見える」とUCバークリーコンピュータサイエンス教授ブライアン・バースキー氏(Brian Barsky)は説明している。
現在、マイクロソフト(Microsoft Corp)のソフトウエアエンジニアになっているフーチュン・ホアン氏(Fu-Chung Huang)(論文の筆頭著者)は、研究プロトタイプは薄いスクリーンプロテクタに進化することは容易であり、市―追跡技術の継続的な改善により、ディスプレイがユーザの頭の位置に適合することが容易になる、とコメントしている。