May, 15, 2022, Chicago--標準的な3Dプリンティングがデジタルブループリントを使って、プラスチック、レジンのような材料から物体を製造するところで、3Dバイオプリンティングは、生体部品や生きた細胞の組織、つまりバイオインクを作る。4次元、時間経過にともなう形状変化は、プリントされた構造が、事前にプログラムされた、あるいは外部信号に反応してオンデマンドで何度も変形できるようにする材料を組み込むことで達成可能になる。
4Dコンストラクトのバイオプリンティングは、発達、治癒および実組織の通常機能の間に起こる形状変化、また複雑な構造を製造する際に、研究者がその形状変化をよく模倣する機会を提供する。
Advanced Materialsに掲載された新研究は、細胞を含む新しいバイオインクの開発を説明している。これは、4Dコンストラクトのバイオプリンティング向けに、密集した、フレーク状のミクロゲル、生細胞で構成されている。この新しいシステムにより、生理学的条件下で形状を変えることができる細胞豊富なバイオコンストラクトが可能になる。
タイトル“Jammed Micro-Flake Hydrogel for Four-Dimensional Living Cell Bioprinting,”(4次元生細胞バイオプリンティング向け詰め込まれた微小フレーク状ヒドロゲル)、研究は、シカゴ大学イリノイ校、そのバイオインクを作製し、プロトタイプヒドロゲルの実験を実施したエンジニアが著者。
実験の結果は、明確に定義された構造、細胞の高い生存率を持つ多様で複雑なバイオコンストラクトとなった。これには4D軟骨状組織形成も含まれる。さらなる設計が、単一プリンティングで作製されたバイオコンストラクトにおける複雑な、マルチ3D-to-3D形状変形を証明している。
「このバイオインクシステムは、以前に可能だったよりも、高度な構造的変化を達成できるバイオコンストラクトをプリントする機会を提供している。形状変化を予めプログラムでき、制御できる、これらの細胞豊富な構造は、身体の自然な発達過程をよりよく模擬する見込があり、また研究者が組織変形のより正確な研究を行い、組織工学でさらなる前進を達成する助けになる」とRichard and Loan Hill Chair、論文の責任著者Eben Alsberはコメントしている。同氏は、バイオメディカルエンジニアリング、機械工学&産業工学、薬学と再生医療、整形外科に職がある。
Alsbergによると、バイオインクは、いくつかの点で以前の技術を前に進めた。
「バイオインクは、いわゆる剪断減、迅速自己回復特性があり、支持バスなしで高分解能、高忠実度の滑らかな押出ベースプリンティングが可能である。プリントされたバイオコンストラクトは、光ベース架橋でさらに安定化された後、例えば、曲げ、捻れ、いくつもの変形を受けても、元の状態のままである。このシステムで、時間と共に進化する、複雑な形状の軟骨状の組織が、生体工学で作られる。もう1つの重要な成果は、複雑な3D-to-3D形状変形を受けることができるバイオコンストラクトの製造を可能にするシステムの設計であった」(Alsberg)。
「これは、4Dコンストラクトのバイオプリンティングの厳しい要件を満たす初のシステムである。バイオインクに生細胞をロードすると、大きく複雑な構造が可能になり、生理学的な条件下で形状変形を始動、長期の細胞生存をサポート、組織再生のような所望の細胞機能を促進する」と論文の筆頭著者、UICのポスドク研究助手、Aixiang Dingは説明している。「われわれは、このシステムを組織工学の臨床アプリケーションにしようとしている。利用できる組織や臓器が危機的に欠如しているからである」と同氏はコメントしている。
(詳細は、https://today.uic.edu)