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DLベース顕微鏡、外因性ラベリング剤なしで分子イメージング

March, 8, 2022, Seoul--KAIST研究チームは、多重蛍光イメージングにおけるラベルフリー生細胞のダイナミクスを観察する3Dマイクロトモグラフィをアップグレードした。AI活用3Dホロトモグラフィ顕微鏡は、ラベルなしの生物細胞から様々な分子情報をリアルタイムで抽出する。外因性ラベリング、染色剤は使用しない。

YongKeum Parkのチームと、スタートアップTomocubeは、計測手段として屈折率を使い、3D屈折率トモグラム(断層写真)をエンコード。次に、ディープラーニング(DL)ベースモデルで情報をデコードした。これは、対応する細胞内ターゲットの屈折率計測から多数の3D蛍光トモグラムを推定し、これにより多重マイクロトモグラフィを達成する。この研究は、2021年12月、Nature Cell Biologyに発表された。

蛍光顕微鏡は、その高い生化学的特異性により、最も広範に使用されている光学顕微鏡技術である。しかし、蛍光タンパク質発現には、遺伝子操作あるいは蛍光ラベルで細胞を染色する必要がある。このラベリングプロセスは、不可避的に細胞本来の生理学に影響を与える。また、光退色や光毒症により長時間計測が困難である。多重蛍光信号のスペクトルオーバーラップも、様々な構造を同時に見ることを妨げる。もっと重要なことは、それらの準備後に細胞を観察するのに数時間を要することである。

3Dホログラフィック顕微鏡、つまりホロトモグラフィは、生細胞を、染色などの事前準備なしで定量的にイメージングする新しい方法を提供している。ホロトモグラフィは、細胞の形態学的、構造的情報を正確かつ素早く計測できるが、限られた生化学的、分子的情報しか得られない。

このプロセスで実現した「AI顕微鏡」は、ホログラフィック顕微鏡と蛍光顕微鏡の両方の特性を活用する。すなわち、蛍光顕微鏡からの特定画像が蛍光ラベルなしで得られる。したがって、顕微鏡は、多くのタイプの細胞構造を自然状態で、3D観察できる、同時に1ミリ秒の高速であり、数日にわたる長期間計測も可能である。

Tomocube-KAISTチームは、蛍光画像が、様々な細胞と状態のホロトモグラフィック画像から直接、正確に予測可能であることを示した。AIで見つけた屈折率の空間分布間の定量的関係、細胞の主要な構造を使うことで、屈折率の空間分布を解読できた。また、驚いたことに、この関係は、細胞タイプに関係なく、不変であることが確認された。

「新しい概念の顕微鏡を開発することができた。これは、複数の顕微鏡の利点とAI、オプティクス、生物学の学際的研究を統合したものである。それは、既存のデータには含まれていない新しいタイプの細胞に直ちに適用でき、様々な生物学的、医学的研究に広く適用されると考えられる」(Park教授)。

AIで抽出した分子画像情報と、蛍光染色で物理的に得られた分子画像情報を3D空間で比較して、97%を超える適合が得られた。これは、裸眼では区別が難しいレベルである。

「Google AIチームが開発したモデルから抽出された蛍光情報の60%を下回る正確さと比較すると、新しい研究が著しく高いパフォーマンスであることが示された」と同教授はコメントしている。

(詳細は、https://news.kaist.ac.kr)