December, 21, 2021, Moscow--スコルコボ科学技術大学(Skoltech)の研究チームは、実用的な光音響内視鏡プローブに一歩近づいた。デバイスは、血管内部に挿入して光を照射し、大音響スピーカー膜のように動脈硬化性プラークを揺らし、超音波シグネチャでその化学成分を欺き、分析する。これは、ロボット化微細手術や医療診断で有用性が証明できる。研究成果は、ACS Photonicsに発表された。
光音響イメージングは、有望な診断技術である。アプリケーションは、所定の乳ガン診断、動脈硬化性プラークあるいは脳病変の検出など。CTスキャンと違い、光音響センシングは、X線や他の有害な放射線を使わないが、可視光と音響信号に依存している。
光音響は、医療的に重要な分子、例えばヘモグロビン、コラーゲン、水でも、それらが吸収する波長で、レーザ光パルスを生体組織に露光することで機能する。全てのパルスが関心のある分子、つまりバイオマーカーを熱し、膨張させる。次のパルスが来る前の瞬間的な収縮に続く、この周期的な振動が、マーカーを効果的に微小なラウドスピーカーにし、これが超音波を発してその位置を明らかにする。それは、非常に高感度なマイクで拾うことができる。
光音響診断の長所は、放射線の安全性だけではない。まず、それは特定のバイオマーカーにチューニングできる。音響波を励起するためのレーザ波長を変えることで、標的分子を選択する。それ以外に、超音波は、生体組織内では、低減衰である。つまり、光と比べて、その信号が衰えるまでに長く伝搬できるので、身体のさらに深部を見る余裕がある。
「今年、食品医薬品局が、乳ガン検査に光音響診断システムを承認した。その装置は、体内への導入を意図したものではないので、レーザとマイクロフォンの両方とも非常に大きい」と主席研究者、SkoltechのDmitry Gorinは、コメントしている。
「しかし、レーザは十分に深く浸透しないことがあるので、プローブを体内に挿入して、たとえば血管、膀胱内部を間近で見る必要がある。これは、動脈硬化性プラークの検査に役立つ。あるいは、それらの顕微手術実行さえ可能になる。プローブは、実際、細くしなければならい、理想的にはワイヤがないことだ」と同氏は付け加えている。
この目的に、研究チームは、UKの協力者が最初に提案したセットアップを精巧に作り上げている。このプローブは、レーザパルスを伝送し微小なオンチップマイクロフォンとして機能する膜を備えた光ファイバてできている。2つのレーザがあり、最初の一つはからのパルスは、プローブ先端に達し、膜を自由に通り、バイオマーカーを励起する。それが音響波を放出すると、膜が音響波を拾い、第2のレーザ膜からの信号を読み取る。
「われわれはマイクロフォン膜に、100nmカーボンナノチューブ(CNT)膜を利用した。レーザ光で膜から信号を読み出せるように、われわれは、いわゆる二酸化チタンと二酸化ケイ素のブラッグミラーをナノチューブ層に成長させた。ミラーが、膜と共に振動すると、これがレーザ光を変調するので、読み取りが可能になる」(Nikita Kaydanov)。
Skoltech研究者が導入したもう1つの新機能は、中空コアマイクロ構造導波路の利用。その光ファイバは、中心でその全長にそって走るエアキャビティを持つ。そのようなファイバを利用する利点は、それが光を伝送できること。他の方法では、Mid-IR範囲は利用できない。これを使って、付加的バイオマーカーをターゲットにできる。炭水化物、脂質、タンパク質、比較的に無害な動脈硬化性プラークと医学的な注意が必要なものとを区別するために必要なものが含まれている。
研究は、実用的な光音響内視鏡プローブへの一歩前進である。チームの成果の中に、レーザがミラーをどのように加熱し、これがその屈折率にどのように影響するかについてのデータがある。この情報は、正確な信号解釈とって重要である。「われわれの実験は、振動するミラーコート膜からレーザで信号を読み取ることも実証した。しかし、われわれの場合、膜を動かしたのは、実際には、バイオマーカーが放出する音波ではなく、最初のレーザパルスである。これは、膜を透過する際にエネルギーの一部を失っていた」とGorinは話している。
研究チームによると、信号読み取りが機能することがわかり、システム本来の「バックグラウンド」信号が何であるかが分かっているので、チームは、そのデバイスが機能することを示すために環境から実際の超音波を拾うことを試すことができる。
(詳細は、https://www.skoltech.ru)