December, 16, 2021, Stanford--マギル大学の研究者が、創傷修復のための新しい生体材料を開発している。
化学、物理学、生物学および工学の知識を統合してマギル大学の研究者は、心臓、筋肉、生体を修復する丈夫な生体材料を開発しており、これは再生医療における大きな前進を示すものである。
「心臓障害からヒトが回復するには、長く、手の込んだ過程に直面する。常に動く組織は、心臓の鼓動に耐えなければならないので、治癒は厳しい。同じことは、声帯にも言える。これまで、それに耐える注入可能な材料はなかった」と同大学機械工学部、Ph.D候補、Guangyu Baoは話している。
Lu Mongeau教授とJianyu Li准教授をリーダーとする研究チームは、キズの修復に新しい注入可能なヒドロゲルを開発した。そのヒドロゲルは、一種の生体材料であり、細胞が生きて成長する余地を与える。身体に注入されると、その生体材料は、安定した多孔質構造を形成し、生きた細胞が成長して貫通し、損傷器官を修復できる。
「結果は有望である。その新しいヒドロゲルが、いずれインプラントとして利用され、例えば咽頭ガンで損傷を受けた声帯を持つ人々の声を回復することができるようになると見ている」(Guangyu Bao)。
ヒドロゲルの耐久性をテスト
研究チームは、人の声帯の極度の生体力学をシミュレートするために開発した機械でヒドロゲルの耐久性をテストした。600万サイクル以上で1秒に120回振動させた後、その新しい生体材料は完全なままであったが、他の標準的なヒドロゲルはバラバラになって負荷応力に対処できなかった。
「われわれのテストで、それが完全に機能したことを確認した。われわれの研究以前には、高多孔性と強靱さを同時備えた注入可能なヒドロゲルは、なかった。この問題を解決するために、われわれは、調合法に細孔形成ポリマを導入した」とGuangyu Baoは説明している。
研究チームによると、そのイノベーションは、薬剤輸送、再生医療、薬剤スクリーニング向けのモデル組織生成に新たな道を開く。チームは、そのヒドロゲル技術を利用して、COVID-19薬剤をテストするために肺を作ることさえ考えている。
「われわれは、新しい生体材料を臨床に移行させることを期待している」とJianyu Li教授はコメントしている。
(詳細は、https://www.mcgill.ca)