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生体分子モーターによる群れ運動を操る幾何法則を解明

December, 9, 2021, 福岡--九州大学大学院理学研究院 前多裕介 准教授、理学府修士課程の 荒木駿也 大学院生、博士課程の 別府航早 大学院生らの研究グループは、北海道大学大学院理学研究院 角五彰 准教授、Arif Md. Rashedul Kabir 同特任助教らの研究グループと共に、生体分子モーターによって運動する細胞骨格タンパク質の群れを交通整理する新たなルールを見出し、このルールを利用して細胞内にみられるような細胞骨格の壁構造を作り出すことに初めて成功した。
 研究グループは、細胞骨格フィラメントが群れる際に運動の方向を揃えていく点に着目し、運動方向の揃え方を精密に制御できる新しいマイクロ流体デバイスを構築した。その結果、細胞骨格フィラメントの衝突にはパターンがあり、そのパターンをもとに衝突角度を制御することで群れ運動の方向制御を実証した。さらに、明らかにした群れ運動の制御法から、植物細胞に見られるような細胞骨格の壁構造を構築することにも成功した。
 研究で得られた知見から、分子の群れを操る基本的なルールが明らかになるとともに、生体分子モーターの化学エネルギーで動作する革新的デバイスの開発につながると期待される。
 研究成果は、米国科学雑誌「Nano Letters」で公開された。
(詳細は、https://www.kyushu-u.ac.jp)