October, 12, 2021, Gaithersburg--JILA研究者は、10年来の周波数コム酒気検出器(ブレサライザ)の感度を1000倍強化し、現状のの4のバイオマーカーをさらに6の疾病の付加的バイオマーカーを検出できるように強化した。
JILAシステムは、ミラーガラスチューブにロードされた呼気サンプルをレーザ周波数コムが前後に通過する際に吸収される光の色と量を計測することで化学物質を「フィンガープリント」する。最近のアップグレードは、分析される光スペクトルのNIRからMid-IRバンドへのシフトが含まれる。ここでより多くの分子が光を吸収する。また、検出感度がppt(1兆分率)レベルまでとなるように光学被覆と複数の他の技術においても前進している。
Proceedings of the National Academy of Sciencesに説明されているように、NIST/JILAフェロー、Jun YeとDavid Nesbittは、ボランティアの呼気に、4つのバイオマーカー、メタノール (CH3OH)、メタン (CH4)、水(H2O) および重水形態(HDO)を検出、モニタした。これらは、メタンの場合、腸の問題など、健康状態の指標である。
研究者によると、さらに6つの化学物質、ホルムアルデヒド、エタン、硫化カルボニル、エチレン、二硫化炭素、アンモニアを検出するために同じ機器の利用が可能である。加えて、コムレーザをさらに赤外に広げることで、検出能力を著しく拡大し、数100の微量呼気化学物質の同定が可能になる。
JILA研究者は、2008年にプロトタイプコムブレサライザを実証したが、その時点では、それをさらに発展させることはしなかった。チームは現在、それに再度注目している、最終的にCOVID-19テストの可能性に促進されたからである。
Yeは、「われわれは実際、この技術実際的医療アプリケーションへの適用に取り組むことには非常に楽観的である」とコメントしている。
呼気研究で最も広く利用されている分析技術は、ガスクロマトグラフィと質量分析の組み合わせである。これは、数100の呼気分子を検出できるが、動作が緩慢であり、数十分を要する。米国FDA認定のほとんどの光学呼気テストは、1つの化学物質のみを検出する。JILAは、コムブレサライザ研究を発表している唯一の研究機関である。
呼気分析は、周波数コムの主要な医療アプリケーションである。コムは、広いスペクトルカバレッジ、高分解能、高感度を統合し、同時に数10の化学物質を検出できる。他の利点の中で、コムシステムは化学試薬、複雑なラボ施設を必要としない。
Yeと Nesbittは現在、他のNIST研究者と協力してブレサライザのコンパクトバージョンの設計に取り組んでいる。チューブは、わずか55㎝長、しかしレーザコムは特注であり、いささか大きい。
(詳細は、https://www.nist.gov)