May, 14, 2021, Bristol--ブリストル大学のタコの視覚研究は、不治の失明の主要原因、黄斑変成の大きなリスクがある人々を検眼士が素早く、簡単にテストする際に役立つ。
Journal of Experimental Biologyに発表されたこのブレイクスルーは、主席研究者、Shelby Temple教授が開発した新技術を説明している。同教授は、色覚異常のタコが、人の眼には簡単には見えない光の一面、偏光をどのように検出するかを計測した。この新技術を使って、研究チームは、タコが、これまでにテストした動物のなかで最も高感度な偏光視覚システムを持つことを示した。継続研究では、その同じ技術を人に利用し、人生の後半に失明の危険因子を評価する新しい医療機器の開発につなげた。
Shelby Temple教授によると、多くの海洋種と同様、タコは、われわれが色を見るように、偏光した光にパターンを読み取ることができるが、光がわずか2%偏光していてもタコが偏光を読み取れることは、これまで明らかになっていなかった。それは、驚きであるが、もっと驚くことは、われわれが人をテストして、光が24%偏光していれば人も偏光パターンを読み取れたことである。
人は偏光を感知できる。われわれの眼の黄斑色素が、偏光の角度に依存して紫-青の光を差別的に吸収するからである。つまりハイジンガーのブラシ(Haidinger’s brushes)効果である。それは、われわれのほとんどが知らない超感覚のようなものであり、これによって網膜にかすかな黄色のボータイ形状があることが明らかになった。人がこの色素を多く持っていればいるほど、失明に対してその人はますます保護される。
タコの偏光ビジョン計測法を発明することで、われわれは、そのコア技術を使って新しい眼科デバイスを開発することができた。これは、低黄斑色素の人々を迅速かつ容易にスクリーニングできる。このような人々は、黄斑変成の影響増の強いリスクファクタがある。
黄斑色素は、損傷を与える紫-青の光に対する身体の自然の保護である。この新しいテストアプローチにより、検眼士は、患者に保護的アドバイスを与えることができる。患者がシンプルなライフスタイル選択をするように力づける、例えばサングラスをかける、濃緑色、鮮やかな色の果物や野菜を食べるなどである。これらは、生活を通じて視覚保護に役立つ。
黄斑色素は、カロテノイドルテイン、ゼアキサンチン、メソゼアキサンチンである。これらは、食事から取り入れることができるだけである。それらは、抗酸化物質として機能し網膜を長期的に保護し、加齢黄斑変成阻止に役立つ。また、われわれの眼に到達する最も有害な高エネルギー可視(紫-青)波長(380-500nm)の光を強く吸収することによって加齢黄斑変性症阻止に役立つ。アイケア業界の課題は、計測なしでは、人の黄斑色素レベルを判定できないことである。今日まで、ほとんどの技術は、通常の眼の検査の一部になるには、あまりに時間がかかりすぎ、難しく、高価であった。Temple教授が開発した新技術は、同氏のスタートアップ、Azul Optics Ltdを通じて、黄斑色素の迅速なスクリーニングを可能にし、5-95歳の患者に利用できる。
(詳細は、https://www.bristol.ac.uk)