March, 30, 2021, Southampton--サウサンプトン大学の新しい研究により、アルツハイマー病に関連したタンパク質と加齢に関係する失明とが密接にリンクしていることが分かった。その成果は、視覚が悪化する患者に新たな治療法を開き、この研究を通じて研究者は今後の研究で動物を失明状態にする必要性を低減できる。
アミロイドベータ(Ab)タンパク質はアルツハイマー病の主因であるが、人が歳をとるにともない網膜に集まり始める。UKの成人で最も一般的な失明の原因である加齢黄斑変性症(AMD)に罹った患者からのドナーの目は、その網膜で高いレベルのAbを含むことが分かった。
Cellsに発表された新しい研究は、以前の研究に基づいている。それは、Abが網膜色素上皮(RPE)という細胞層の周囲に集まり、これら毒性タンパク質がRPE細胞にどんな損傷を起こすかを立証している。
研究チームは、正常なマウスの眼のRPE細胞を露出させ、培養でAbに触れさせた。マウスモデルによりチームは。そのタンパク質が生きた眼の組織で持つ効果を見ることができた。これには眼科クリニックで使用されている非侵襲的イメージング技術を使った。その結果から、マウスの眼が、人のAMDに酷似した網膜病理を発症していることが分かった。
サウサンプトン大学視覚科学講師、Dr Arjuna Ratnayaka研究主任は、「これは重要な研究である。この種の実験に使われるマウスの数が、今後、大幅に減ることを示している。われわれは、AMDのようなAbによる網膜病理を研究するためのロバストモデルを開発することができた。研究者が現場でよく使う、トランスジェニック動物を使う必要かない。トランスジェニック、つまり遺伝子改変マウスが網膜に病理を起こすまでに1年、一般にはもっと長くかかる。それをわれわれは2週間以内に達成できる。これは、より多くのトランスジェニックモデルを開発する必要性を減らし、動物の幸福を改善する」とコメントしている。
研究では、毒性Abタンパク質がRPE細胞に入り、急速にリゾソームを集めることを示すために、細胞モデルも使用した。これは、このような実験でマウスの利用をさらに減らした。リゾソームは、細胞の廃棄物システム。細胞はリゾソーム内で酵素を増やす通常の機能を果たし、この不要なカーゴーを破壊するが、時間経過にともない毒性分子はRPE細胞内に蓄積し続ける。
さらに、研究者は、リゾソームが一度Abに冒される、視細胞外節破壊に使えるリゾソームは20%以下になることを発見した。これは、日常の視覚サイクルの一部として普通に行われていることである。
「これは、眼の細胞が時間とともにどのように劣化するかをさらによく示している。RPE細胞内に集まるこれら毒性分子が原因である。これは、これまで誰も研究したことがない新たな経路となる。われわれの発見は、眼の病気と脳の関係も強化した。眼は、脳の一部であり、われわれは、アルツハイマー病などの主要な神経疾患を促進することで知られているAbが、どのように網膜の細胞に大きな障害を起こすかも示している」(Dr Ratnayaka)。
次のステップの一つは、これまでにアルツハイマー病患者で試された抗アミロイドベータ薬剤を加齢黄斑変性症のための可能な処置として作り替えることを研究者は考えている。
(詳細は、https://www.southampton.ac.uk/)